再びの“関西対決”か、それとも盟主の復権か。
寒風吹きすさぶ中、2024年シーズンに向けたプロ野球界が熱い。
「24年も、本命は阪神とオリックスで変わらず。投打に穴がなく、主力の多くが20代で、伸びしろもある。生え抜きが育つ土壌も整っていて、両軍の黄金時代はまだ続くことでしょう」(在京スポーツ紙デスク)
阪神のエースとして活躍した藪恵壹氏も、両リーグとも「対抗馬が浮かばない」と言って、こう続ける。
■セ・リーグはタイガースが圧倒的も、連覇はないジンクス
「特にセは、阪神が圧倒的。23年も1軍で戦力になっていた馬場皐輔(28)を現役ドラフトに出したことからも、余裕を感じます」
38年ぶりの日本一に輝いた猛虎に隙はあるのか。ジンクスでいえば、1950年からの2リーグ制以降、連覇はない。
85年の日本一の翌年も、夏場に失速して3位に終わった。
「強いて弱みを挙げるなら、1割7分9厘の代打打率ぐらい。それにしても、ここ一番では、原口文仁(31)や糸原健斗(31)が、きっちり決めていましたから、弱点でもない」(前同)
■猛虎に挑むジャイアンツ
その阪神に挑むのが、かつての盟主・巨人だ。2年連続Bクラスに沈む中、球団創設90周年を迎える24年はV奪還が至上命題。しかし、オフの補強は、先の馬場の獲得とトレードで中継ぎを厚くした程度に終わった。
「確かに地味な補強に見えますが、中継ぎ強化という意図は明確。監督も変わって、6勝18敗1分と阪神にカモにされた23年のようなことはないのでは」(同)
巨人が、阪神に一泡吹かせることはできるのか。
「いきなりの直接対決になる開幕3連戦で、巨人が3タテを食らわして、ようやくスタートラインでしょう。岡田(彰布)さんとしても、現状は一切、怖さを感じてないはず」(同)
■パ・リーグ王者オリックスの不安材料は山本由伸
一方のパ・リーグ。王者・オリックスの不安材料は“絶対的エース”山本由伸が、海を渡ったことだろう。
「この3年間の成績は49勝16敗と圧倒的で、3年連続沢村賞も納得の活躍。その大黒柱が流出したわけですから、ダメージは大きいです」(前出のデスク)
だが、チームは、それを見越していたかのように、22年オフの森友哉(28)に続き、23年オフに広島から西川龍馬(29)を獲得。2年連続でFA補強に成功し、打線の厚みは増すばかり。
「投手陣についても、由伸が抜けても、新人王の山下舜平大(21)や東晃平(24)ら計算の立つ若手が、すでにいる。投手力は変わらず盤石ですよ」(前出の藪氏)