「いや〜、まさかでしたね。私はヤンキースだと思っていたんですが」
日本における大リーグ評論家の第一人者、福島良一氏も驚きを隠せなかったのが、山本由伸(25)の移籍先だ。今季、オリックスからメジャーに挑戦する山本が、次なる活躍の舞台に選んだのはドジャースだった。
「12年総額約463億円は、投手としてメジャー史上最高額の契約内容で、10年約1015億円でドジャース入りした大谷翔平(29)との最強タッグが完成。打者専念の大谷の三冠王だけでなく、山本の最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の“投手三冠”もありうる。日本人トップ選手による“日の丸ドジャース”の誕生ですよ」(スポーツ紙メジャー担当記者)
そもそも、山本の争奪戦には7球団が参戦。前出の福島氏が話すように、移籍先は最終的にはヤンキースが最有力候補と見られた。
「山本がドジャース入団を決断したのも、大谷の存在が大きい。交渉の席には大谷も同席し、それと、なんと言っても大谷が年俸の97%を後払いにしたことで、ドジャースは山本獲得の資金を確保することができたわけです」(福島氏)
■日本でいえば巨人や阪神
ドジャースといえば、日本における巨人や阪神のような、メジャーの名門球団。1946年に近代メジャー最初の黒人選手であるジャッキー・ロビンソンと契約したことで知られ、人種の壁を作らず、才能ある若者に広く門戸を開放。これまで野茂英雄から、石井一久、黒田博樹、前田健太、ダルビッシュ有など、多くの日本人選手も在籍した。
「野茂を筆頭に、過去の日本人選手が、しっかりと実績を残したことで、ドジャースのフロントは日本人選手を高く評価している」(前出のメジャー担当記者)