王将に続き棋王タイトルも防衛!藤井聡太八冠強さの秘密は「燃える鉄オタ魂」の画像
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 3月17日、栃木県日光市で催された棋王戦第4局で、藤井聡太棋王(竜王、名人、王位、叡王、王座、王将、棋聖=21)が挑戦者の伊藤匠七段を下し、初防衛を達成した。

■大山康晴超えを達成

 これにより今年度の勝率は0・852となり、自己ベストを更新すると同時に、タイトル戦連覇記録を21に伸ばしたのだ。

「1967年に中原誠十六世名人が達成した年度最高勝率0・855には、わずかに届かなかったものの、この2月には王将戦で防衛に成功。大山康晴十五世名人の持つタイトル戦19連覇の大記録を破り、“大山超え”を達成しました」(全国紙文化部記者)

 この偉業に、棋士の森雞二・九段も驚きを隠せない。

「過去に時代を制した大山さん、中原さん、羽生善治さんなどは、それぞれ20年近く天下を獲っていました。藤井さんもそれにならい、さまざまな記録を抜いてしまいそうです」

■AIを駆使した戦術研究

 歴史までも塗り替えてしまう、その強さの秘密は、どこにあるのか。

「AIを駆使した戦術研究や並外れた集中力など、月並みな言い方をすれば、才能を磨き続けた結果でしょうね。ただ、彼の趣味も注目に値します」(前出の文化部記者)

 藤井八冠は、“棋士でなければ運転士になりたかった”と公言するような、ガチの“鉄オタ”なのだという。

■タモリとも互角に語れる鉄道の知識

「あのタモリさんとも互角に語れるほどの知識の持ち主です。そんな鉄道好きな素顔も強さの源泉の一つだと思います」(前同)

 前出の森九段も、「鉄道の旅は、将棋で長考するのに似て、彼には楽しめるんでしょう」と推測する。この意見に、さる棋界関係者は、こう言ってうなずく。

「藤井さんは、重要な大勝負の前には、必ず列車で移動するんです」

 昨年8月の王位戦第5局は、永世王位獲得のために絶対に落とせない対局だった。会場の徳島には、それまで2度、愛知県の自宅から車で移動したが、このときは遠回りしてまで、鉄道を利用している。

「岡山を経由して、瀬戸大橋線の快速『マリンライナー』、高徳線の特急『うずしお』を乗り継いで現地入りしました。車窓から眺める瀬戸内海の景色を楽しみながら、作戦を練ったようです」(前同)

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