浅丘ルリ子の出演作品、色っぽい松坂慶子

「やっぱり、皆さんと同じで、『寅次郎ハイビスカスの花』(80年)など、浅丘ルリ子の出演作品はいいですよね。また、個人的には『浪花の恋の寅次郎』(81年)が好きです。色っぽい松坂慶子が大阪の芸者を演じています。しかも、部屋で寅さんを押し倒さんとばかりに迫る。寅さんがその気になればなんとでもなりそうな……結局、何もしないんですが(笑)。そんな危ういシーンが楽しめました」

“永遠のマドンナ”リリー登場作以外で人気が高い作品に、兵庫県龍野でロケをした『寅次郎夕焼け小焼け』(76年)がある。

「あれも芸者でしたね。太地喜和子が演じたマドンナは、リリーと同様に寅さんと同じ体温を持っていました。観ているほうも、うまくいくんじゃないかと思った」(秋本氏)

 だが、うまくいかないからこそ、シリーズは長く続いたのである。

51作目となる新作の布石か

 そして今年、松竹が展開する「Gо!Gо!寅さん」プロジェクトは、“51作目となる新作の布石か?”という憶測も呼んでいる。

「山田監督は92歳でまだ元気ですし、第50作『おかえり寅さん』(2019年)では寅さんは死んでいないことになっていたので、第51作もありえるかもしれません。人生100年時代、寅さんが今もどこかで生きていてもおかしくない」(前同)

 仮に新作が実現しなくとも、寅さんは、多くの人の心の中で永遠に旅を続けているはずだ。

 読者の皆さんも、これからの新緑の季節、寅さんのように気ままな旅に出かけてはいかがだろうか。もしかすると、マドンナとの出会いがあるかも……。

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