青木=森=古賀も石破派に…

驚くなかれ、すでに布石は打ってある。石破氏の"安倍討伐シナリオ"は目下、進行中なのだ。

「第1弾が、昨年1月に立ち上げた"無派閥連絡会"。これを、名実ともに石破派に衣替えすることです」(同連絡会関係者)

去る8月7日、石破"親衛隊"28人を集めて初の同会研修会(石破派旗揚げ準備会)を開催。

同席上、「(内閣改造で)入閣したら首相を支えざるをえなくなり、すべて終わり。ポスト安倍として総裁選を目指すなら"無役"だ」の声が噴出。

「そんな熱い声援に押されて、石破氏は決起を決断。堂々と野に下る道を選んだようです」(前同)

すでに"この日"が来ることを予想していたのか、石破氏は入念な準備も施していた。たとえば、14年1月、党の総裁公選規程を、地方票重視の制度へと変更。

「具体的には、決選投票に地方票を加算。地方票を国会議員票と同数にするというものです。同制度下で総裁選を実施すれば、地方人気抜群の石破氏の得票が、安倍首相を上回る可能性はかなり高くなります」(同)

加えて、石破氏を毛嫌いしていた"長老"青木幹雄・元参院議員会長を訪ねて頭を下げ、関係修復に成功。

「このとき、青木氏から"幹事長続投なら引き受けろ、入閣なら断れ"との策を受けたといいます。青木氏と早稲田大学雄弁会時代からの盟友、森喜朗・元首相も、ここにきて"(石破氏を)先輩に対して礼を尽くすようになってきた"と、なぜかベタ褒めです」(政治評論家・浅川博忠氏)

さらに、日頃から安倍首相の暴走に苦言を呈していた古賀誠・元幹事長も、石破陣営に擦り寄り。いまだ永田町で隠然たる影響力を持つ青木=森=古賀3氏の"長老連合"が石破応援団となった。これだけではない。

「石破氏を"政治の師"と仰ぐ自民党のプリンスこと小泉進次郎氏も、石破陣営に馳せ参じる日は遠くないと見られています」(前同)

進次郎氏、先の総裁選で「安倍さんでは党は変わらない」との思いから、石破氏に渾身の1票を投じたのは有名な話。最近では、「あの原発事故から学んでいるのか」と、原発再稼働に動く安倍首相を痛烈批判までしている。

前出の鈴木氏が言う。

「石破、進次郎の両氏は、地方を大事にするという共通点があります。今後、両氏がタッグを組む可能性は十二分にあります」

こうした動きに譲歩したのは安倍首相。

「新設ポストである地方創生相として石破氏の入閣を検討していることがわかりました」(前出・政治記者)

59歳で当選7回の安倍首相と、57歳で当選9回の石破氏。

「安倍首相は、福田赳夫・元首相に連なる清和政策研究会出身。かたや石破氏は、その福田元首相と凄絶な政争を繰り広げた田中角栄元首相の"最後の弟子"」(前出・浅川氏)

今、怨念の戦いの幕が再び切って落とされた。

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