はしか、風疹は重症化しがち
「年間3000人が罹患し、その多くが高齢者です。なぜ今、流行中かというと、これまでたまたま発症していなかった保菌者が、免疫力が落ちる年齢になって発症するケースが増えたからです」(医療記者)
しかも、最近の結核菌は耐性を持ち、薬が効かなくなっているという。
「症状が治まったからといって、中途半端に薬をやめると、結核菌は強くなります。そのせきを周囲の人が吸い込むことで、治療困難な"耐性結核菌"が広がってしまうんです」(前同)
さらに、子どもがかかる病と軽視しがちな、はしかや風疹(ふうしん)もシニア層を脅かす。
特に、はしかは1000人に1人が死に至るといわれ、大人ほど重症化する。
「結核予防のBCGもそうですが、伝染病の予防接種は世代によって接種率にバラツキがあり、それが現代になって病気が蔓延する要因となっています」(同)
国立感染症研究所は、今年のはしかの患者数は、ピーク時で前年同時期の3・2倍になったと発表した。
また、風疹は13年の春から夏にかけて、都市部の成人男性を中心に大流行。この年の患者数は、約1万4400人にまでのぼった。
「致死率は低くとも、シニア世代には高熱自体が命取りです。疲れや風邪と甘く見ず、早めの受診が肝心です」(前出・医療関係者)
伝染病の恐怖から身を守るには、体の異変を見逃さないことが最重要なのだ。