沖縄住民は中華民族の同胞?

実際、11年に地元紙の琉球新報が行った「日本における沖縄の立場をどうすべきか」との調査では、「独立」は4・7%。「日本の一地域(県)のまま」が61・8%と、現状維持派が圧倒的多数を占めている。

「とはいえ、今回の沖縄決戦(知事選)後、政府が県民の声を無視して普天間基地移設を強引に進めれば、潮目は変わると思います。その中で再び琉球独立問題が急浮上してくるはずです」(地元紙記者)

この動きに便乗、いや長年の"黒い野望"を遂げようとしているのが中国だ。

「中国が、隙あらば沖縄を奪い取ろうとしているのは確かです。近年、領土問題でもめる尖閣諸島は沖縄県に所属しており、"琉球強奪"の足がかりと見なしているのは間違いない。さらに、東シナ海には日中両国が衝突している海底ガス田もあります。琉球が明や清などの歴代中華王朝に貢(みつ)ぎ物などをしていた歴史を根拠に、"琉球は中国の領土"だと主張し始めています」(中国ウォッチャー)

中国国内には、『中華民族琉球特別自治区準備委員会』なる団体が存在し、機会あるごとに「沖縄住民は中華民族の同胞である」との喧伝を繰り返している。

こうした動きについて、中国問題研究の第一人者、宮﨑正弘氏はこう語る。

「放っておけばいいです。というのも、現在の中国は権力闘争で指導部はガタガタ。それに経済も破綻寸前で、沖縄での野望達成以前に、中国自滅のほうが確実に早い情勢です」

しかし、相手は中国。警戒を怠ってはならない。元外交官で、国際問題アナリストの井野誠一氏は、中国に実在する"尖閣、沖縄侵攻シナリオ"を元に『日中開戦尖閣戦争勃発す』(オークラ出版)をまとめている。その井野氏が言う。

「今年2月のソチ冬季五輪(ロシア)で中露首脳が会談し、"今後、第二次世界大戦終結直後から今日に至るまでに起きた〈歴史の誤り〉を各々が正すことを認め合う"との秘密合意がなされた、といいます。その中には"沖縄の占領画策・工作プロジェクト"も含まれていると言われています」

その中国がもくろむ"沖縄侵攻作戦"とは何か。

「まずは、沖縄における米軍の存在感を減じ、沖縄の自立性、独立の機運を増大させるのが第1弾です。次に、かつての中国と琉球王国の主従関係を再構築することです。中国は、すでに"来るべき時"に備えてさまざまな"働きかけ"や"工作"を沖縄県内で展開しています」(前同)

たとえば、沖縄でのビジネスを隠れみのにした中国側からの資金援助だ。また、この10年間だけでも中国人の沖縄移住が急増しているという。

「さらに、不動産売買投資件数も上昇の一途をたどっています」(同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3