炭谷が中日移籍をやめた理由

14年オフにプロ野球ファンを最も驚かせたのが、メジャーリーガー・松坂大輔の日本球界復帰だろう。その復帰先は、工藤公康監督で新たなスタートを切るソフトバンクだった。
「松坂は先発にこだわっていましたが、所属チームのメッツでは中継ぎ要員だった。そこで、ソフトバンクは"先発確約"を条件として迎え入れたと聞きます。DeNAも地元・横浜高校出身のスターだけに、毎年アプローチをかけていましたが、強奪された形です」(前出・スポーツ局記者)
2年前の右肘の大手術から復活した松坂だが、全盛期にはほど遠い。先発として機能するのだろうか。
「もちろん、そこそこ活躍するとは思います。でも、4億円(+インセンティブ)の年俸は高い。せいぜい2億ぐらいでしょう。でも、宣伝費が2億と考えれば、ちょうどいい値段かもしれませんね」(江本氏)

一方、予想外の失敗が続き、肩を落としたのが和田豊監督率いる阪神だ。
「今年の補強戦線では負けっぱなし(苦笑)。人気球団かつ他チームに引けを取らない金額を提示しているのに、金子に続き、成瀬、中島と、ことごとく失敗。鳥谷(敬)のFA宣言も止められなかったし、特に、同じ在阪球団で格下と見下しているオリックスに中島を獲られたときには、球団首脳が愕然としていましたよ」(球界関係者)
阪神OBでもある江本氏は、選手たちの考え方の変化を指摘する。
「阪神は人気球団ゆえに、少しでも成績が悪ければ、在阪マスコミを中心にいろいろ書かれる。それが嫌だという選手が増えてきてるんでしょうね。新井(貴浩)がいい例で、彼なんか、阪神に移ったのは失敗だったと思ってるでしょう」

その例に近いのが、FA宣言をせずに西武に残留した炭谷銀次朗だろう。
「実は炭谷、FAをして中日に移籍する気満々だったんです。ところが、中日の知り合いから"今、ウチは落合GMのせいでチーム内がガタガタだぞ"と言われて踏みとどまったそうです。ひと昔前なら、セの人気球団に移りたがったもんですけどね……」(デスク)
事実、先頃の契約更改では、大島洋平、平田良介が保留。落合体制下では、初めての保留者だった。
「さほど根性のない平田は、2回目の交渉で前回から上積みなしで契約を更改。一方、大島は"調停にしたらトレードに出すぞ"と言われたが、それを覚悟で闘う腹づもり。ただ、その話を聞いたベテラン組の一人が"GMに盾突くなんてアイツ(大島)は、バカだな!"と吐き捨てたそうです。こんなチームでは15年も浮上は難しいでしょうね」(前出・球界関係者)

話題が尽きぬストーブリーグ。15年シーズンの開幕が待ち遠しい――。

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