馬場も戦法も不問とにかく全力疾走

ところがです。どういうわけか、翌95年はまったくといっていいほど、いいところがなく7戦全敗。もう、限界なのかなと思ったその翌年、96年に入ると、岡部幸雄さんとのコンビで、GⅢ「ダービー卿チャレンジ」(芝1600メートル)、僕とのコンビでGⅢ「セントウルS」(芝1400メートル)を勝つなど、鮮やかな復活を遂げたのです。

良馬場、重馬場、不良馬場も関係なし。戦法も、先行、差し、追い込みとオールマイティ。勝つときは強い競馬で、負けるときは、信じられないほど脆い……なぜ、そうなるのか不思議で仕方ありませんでした。

98年に地方競馬に移籍。生涯成績は、中央と地方を合わせて、61戦8勝。引退後、種牡馬となりながら、種付けを拒否したという話を聞いたときも、首をひねるしかありませんでした。

しかし、それらを補っても余りあるのが、彼の走りです。
いつでも、全力――。
勝っても負けても一生懸命で、それこそがフジノマッケンオーの真骨頂でした。ともすれば忘れがちになるこの言葉を、もう一度、心に刻み、今週末のレースに臨みます。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2