親しい友人には「疲れた」と…

ただ、「慣れない一塁守備に神経質になる場面でもあれば、裏目に出る可能性もある」とは、巨人担当記者。そのうえで、こう言う。
「巨人はまだまだ阿部のチーム。彼が、往時の打棒を取り戻せるかどうかが鍵。ただ、うまくいっても、"打てる捕手"というアドバンテージはなくなっていますから、打撃陣は、それを補えるかどうか……」

その阿部に代わってキャプテンを任されることになったのが坂本勇人。本人の自覚を促すための抜擢だろうが、これが裏目に出て、(8)キャプテン坂本が空回りしてしまう可能性もある。
「実は、坂本はプレッシャーに弱い。その証拠に、満塁での打率が7分7厘と、1割にも満たないんです。ノープレッシャーなら3割をコンスタントに打つ坂本には変な責任感を持たせないほうがいいと思います」(スポーツ紙デスク)

阿部、坂本と並ぶ打の中心選手、(9)村田修一の限界が見えてきたことも、不安要素の一つ。
「彼は、今季の目標を"本塁打30本"と公言しています。横浜時代に46本塁打でタイトルを取った男ですよ。ホームラン打者として巨人に招聘された選手の目標としては、あまりにも欲がない」(前同)
正直、そのあたりの数字が精いっぱいなのだろうが、これはあまりに寂しすぎる。かといって、村田を補うべき大田泰示や高橋由伸の奮起に、過大な期待をかけるのも酷な話だろう。

さらに、気になるのが(10)原監督の「勤続疲労」。
今季、原監督は第一次政権時代を含め、12シーズン目の指揮を執ることとなる。
「"勝って当然"と言われる中で、日本で最も注目されるチームの監督を10年以上も務めて、結果を出し続けてきたわけですから、その心労は普通じゃない。思うように勝てない日々が続けば、ある日突然、心がポッキリと折れてしまうかもしれません。実際、親しい友人などには"疲れた"と、こぼしているようです」(同)

こうした不安材料を抱える巨人だが、前出の橋本氏は、こうエールを送る。
「昨年、あれだけの不振の中で最終的にリーグ優勝を果たしているわけですから、地力は相当なものです。今季はDeNAもヤクルトも広島も、昨年以上にパワーアップしてますから、簡単にはいかないでしょうが、それでも巨人がセ.リーグナンバーワン」
地力があるのは間違いない。はたして巨人は不安を杞憂に終わらせ、日本一奪還の美酒を味わえるのか。

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