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パンチ佐藤の「野球が一番!」
第8回 時空を超えて移動していた!?上田監督とキャンプの裏話


2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任したパンチ佐藤。かつての日本代表~オリックスのドラ1も、今では芸能人としての色が濃い。そんなパンチが野球界に“復帰”して改めて思ったことは「野球が一番」ということだ。今回は、闘将・上田利夫監督について、そしてキャンプを俯瞰して感じたことを、パンチ流に解説する!
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僕がプロ入り1年目の時、指揮をとっていたのは上田利夫監督でした。とにかく、上田監督は一瞬たりとも気が抜けない。ティーバッティング時は、バックネットの後方でこちらを見ています。

時々、「もっと強く打てんか!」という“檄”が飛んできますから、こちらはサボれない。必死で打つしかないのです。勿論、上田監督にとって選手は僕だけではありません。数分するとバックネット裏から3塁ベンチを経由、レフトポール際から出てそのままブルペンに直行します。

バッティングゲージ内で僕は上田監督が立ち去ったことを確認。ホッとしてバッティングに“余裕”が出てきた、その時、僕の後方から厳しい“檄”が再度、飛んできました。

「佐藤! もう少し強く振れんか?」

あれ!? 確か、今ブルペンの方に向かったハズなのに……。後ろにいたのです。上田監督は神出鬼没。時空を超えて移動していると言っても過言ではありません。これは、選手間でも話題になっていました。

一見、温厚そうに見える上田監督。ところが彼は日本シリーズ・ヤクルト対阪急戦でヤクルト・大杉勝男選手が放った本塁打を巡り、超猛烈に抗議した張本人。冗談抜きでヤンキーもビビる程の闘将なのです。そのため、選手は一瞬の気も抜けない。強いて抜けるとすれば、レギュラーが約束されている選手だけでしょう。
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