「来てくれる人に失礼でしょ」

それでいて、どんなに酔っ払っていようと、周囲への気遣いはすごかった。
別々の会社のスタッフの仲を取り持つように各テーブルを回って盛り上げていく。そして、場が盛況の中、あまり飲めない女性が一人いると、彼女がさりげなく水を持ってきたりする姿もあった。

仕事に関しても周囲が思っている以上に、ストイックでサービス精神の塊だった。特に彼女が力を入れていたのはストリップで、ショーで使う曲の選曲から編集、衣装選び、振付まで、すべて自分で考えていた。

「せっかくファンの人が観に来てくれるんだから、私も気合を入れて、楽しんでもらえるショーにしないと、失礼でしょ」
と話していたときは、あまりの真剣さに圧倒された。

ストリップ4周年記念ではファンに配るプレゼントも自分でアイデアを出して、発注までしていた。
「去年はウチワにしたんだけど、今年はどうしようかなぁ。あまりかさばるものだと、持って帰るのも大変だろうし……」
と、やたら悩んでいたのも、我々が知る小向美奈子だ。
心底、優しい女性だけに、またもや覚醒剤に手を出したことが残念でならない。

だからこそ、本誌は今度こそ、薬物を完全に断ち切って、更生してほしいと切に願っているのだ。
では、そのためには、どうするべきか?

薬物依存症の回復を支援する『日本ダルク本部』代表の近藤恒夫氏がこう言う。
「更生するには、まず"薬物をやめるのは無理"と知るべきです。一度、あの味を知ってしまうと、どんなに本人の意思が固くても、遅かれ早かれ、コントロールを喪失する時期が来てしまうんです。だから、やめるのではなく、"使えない"状況にするしかない。それには生き方を変えるしかない。一切、薬物が手に入らない場所で、生活をするべきですね」
極論すれば芸能界からも離れたほうがいいという。
「今回、小向さんは3回目の逮捕ですから、やめられないことは十分思い知ったはずです。これはある意味、チャンスです。これまでの生活環境を捨てて、再起を図るべきですね」
美奈子ママには戻ってきてもらいたい思いもあるが、真の更生のためには、我々は今後、彼女を遠くで見守るべきなのかもしれない。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2