中国の個室トイレの便座のフタには、両足で踏みつけたような足跡残っていることがよくあるという。

「他人の尻を載せた便座に座りたくない。だから洋式便器を和式のように使って用を足す中国人が少なくないのです。もともと便座が汚れていて尻を載せられないという場合もあります」

男性は小便器からかなり離れた距離で乱雑に放尿するため、床はおしっこでビチャビチャ。政府は「前への一歩は文明への大きな一歩(向前一小歩、文明一大歩)」というヘンな標語を便器の上に張ってはいるが、あまり効果はない。

トイレ
標語も空しく、床には水たまりが出来ているという…。


トイレの使い方だけでなく、街中ではポイ捨てもひどい。菓子袋やペットボトル、ちり紙、タバコの吸い殻、串焼きの串……。道ばたにゴミを捨てることは、彼らにとっては大して悪いことではないのだ。

また、地下鉄や鉄道線路の駅では切符を買わずに改札をくぐり抜けたり、平然と割り込みをする光景も何ら珍しくないという。

「共通していえるのは、『とにかく自分さえ良ければいい』という利己主義思想です。儒教文化を捨ててしまったため、倫理観や道徳意識の基盤となるものがないんです。そして中国人は常に他人と張り合いながら生きているので、譲り合うという心の余裕があまりないのです」

中国政府は民度アップのためにさまざまなスローガンを掲げて啓蒙活動にいそしんでいるが、13億人がマトモな道徳意識を持てるようになるのは、一体いつになるのだろう。

「今の若い中国人たちは、だいぶマナーが向上しています。もう一世代か二世代ほど世代交代が進めば、だいぶ意識も変わってくると思いますよ」

中国人の振る舞いに悩まされずに済むの日が来るのは、当分先のことになりそうだ。

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