美和 秘書として政治家として人一倍働く宗男先生の背中を見せ、貴子さんみたい立派な女性が育った!そして、政治家として貴子さんはその背中を追うことになるわけですが。でも政治家の世襲といえば、男子が継ぐというのが多いのですが、まさか女性の、しかも1番下の子の貴子さんが継ぐなんて思っていましたか?

宗男 それは“向き不向き”です。貴子は小さい時から政治家向きでしたね。4歳の時から演説をぶってましたから(笑)。

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美和 お父さんを見て真似て(笑)。

宗男 人の集まりに行ったら「私にも喋らせて」と。

編集 まさに「栴檀は双葉より芳し」ですね!

宗男 女房に言わせると「お腹の中にいる時から選挙運動やってた」だって(笑)。私は、政治のことなんて何も教えてません。だから貴子がカナダに留学に行く時も彼女の主体性に任せてました。

美和 前に、貴子さんは「先生と一緒にまだ寝てる」とか、「家では先生のモモヒキを穿いている」とか、お聞きしました。

宗男 貴子が学生時代の話しね。それと“モモヒキ”でなくて“ステテコ”です(笑)。15歳でカナダに留学に行って、その年に私が捕まってしまうんですよ。そして最初の夏休みに貴子が家に還って来ても私はいないわけです。後で女房に聞いたら「お父さんのステテコとランニング着て過ごしている」と。

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編集 「お父さんと一緒に居る」みたいな感じなんでしょうね?

宗男 「匂いを少しでも」という感じなのかな? ただ、翌年の夏休みもまだ私は居ないんですよ。1年3カ月間も拘留されていたわけだから。貴子がカナダに戻っていった後、私が釈放されたのです。

美和 お父さんの収監中、お父さんの物を身につけて、お父さんを身近に感じて……泣けますねぇ。
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