投資初心者にはETFを推奨

と、ここまでNISAでの個別株選びのポイントに触れてきたが、個別株選びが難しいという方には、「ETF」をお薦めしたい。

ETFとは、証券取引所で上場株のように、リアルタイムで売買できる上場投資信託のこと。
「ETFは、東証1部市場の225銘柄の日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などのお馴染みの指数から、海外株式指数、金や原油の商品価格などに連動する様々な商品があります」(前出・経済誌記者)

イメージとしては、"日経平均株価"という"銘柄"の"ETF株"を買うといったところ。
小口で分散投資もできるうえに、投資信託よりも運用・管理の対価として差し引かれる信託報酬(運用手数料)が低く、投資初心者にはハードルが低い金融商品なのだ。
「元衆議院議員でテレビ番組などで"薄口評論家"として活動する杉村大蔵さんも、400万円を、08年9月のリーマンショック後の大暴落で一時8000円を切っていた日経平均株価に連動したETFに投資。数か月の取引で50万円を稼いだそうです」(芸能記者)

13年9月の20年東京五輪決定時にも、日経平均株価に連動したETFと五輪関連銘柄の建設株に集中投下。結果、投資歴6年で、その利益は4000万円強にもなるそうだ。
「以前は、ETFの銘柄が少なかったですが、現在は日経平均株価やTOPIXだけではなく、米国、中国などの株価指標に連動したものから、金、銀、パラジウムなどの資源価格に連動したものまであります。また、業種を絞り、韓国・サムスングループの銘柄の値動きを表す"サムスングループ指数"との連動を目指すETFもあります。全体の将来性が有望とされるETFに投資をすればよいので、投資初心者には始めやすいんです」
と語る藤原氏が、"手堅い"と分析するのは日経平均株価に連動したETFだ。

「日本銀行が10月末に発表した追加金融緩和策では、ETFの購入枠を、それまでの3倍の3兆円に増やすとしています。また、世界最大の年金基金である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、株式投資枠の拡大を決めており、買い需要に厚みが増しています。不穏な欧州情勢や原油価格の影響はありますが、日本株は下がりにくいんです」

投資家の中には、15年の日経平均は、00年のITバブル時の高値20833円を抜き、1996年6月につけた22666円を目指す展開に入る可能性があるという向きもあるほどだ。

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