自殺未遂を誘発するクスリも

代表的な抗うつ薬「パキシル」も、お薦めしない。
「精神薬は、覚醒剤やコカインなどに比べると依存症や副作用が"比較的まし"程度の"麻薬"であり、効果自体怪しく、逆に脳を破壊していきます。なかでもパキシルは、飲む人と飲まない人で、自殺リスクは何倍も違うことがわかっています。私は何人も自殺未遂経験のある服用者にお会いしましたが、誰もが"ルンルン気分で飛び降りた"と言っていました」

内海院長がこう言えば、岡田博士はパキシルについて、こう述べる。
「海外では、特に青少年の自殺未遂が多発し、裁判が次々と起こされています」

不眠症では、精神薬の一種である「ベンゾジアゼピン」が挙げられる。
一般的に2~4週間までの治療には有効だが、それを超えると、自殺衝動に加え、攻撃性、てんかん発作などの反応を示したり、認知機能にさまざまな悪影響を及ぼすこともある。
「最近、精神薬のCMをよく見かけます。そのせいか、早期に薬を飲んだほうがいいと思っている人が多いようですが、ストレスの原因を取り除くなどしなければ薬漬けになる可能性があります。安易な使用は避けるべきです」(岡田博士)

脳に働きかけるということで認知症薬「ドネペジル」も触れておかねばならない。
「脳神経の信号がスムーズに伝わるようにしたり、逆にブレーキをかける作用があるとされます。しかし、これには"落とし穴"があります。実は、この薬が認可を得るために調査した期間は半年までだったのです。3年をかけた別の大規模調査では、症状が改善されたり、進行を遅らせたりする効果がまったく消えていたんですから、効果は怪しいものです」(同)

もちろん、緊急時や急性時には薬は必要だが、"毒にも薬にもなる"薬。正しい理解で自分に必要なものを適切に摂取しよう。

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