ディープに入れた初めての「ムチ」

93年のナリタタイシン、00年のエアシャカール、05年のディープインパクトとこれまで3度、「皐月賞」を制していますが、最高のレースは、やはり、ディープとともに挙げた勝利です。
スタート直後に大きくつまずいたときは、スタンドがどよめき、僕自身も思わず、「うわっ!」という声を上げていましたが、立ち直ったあとの走りは、さすがディープ。ちょっと気を抜きかけた4コーナーで、左ムチをいれたときの彼のびっくりしたような仕草は忘れることができません。

初めて見せたディープの本気――大外のヴィクトリーロードを気持ちよさそうに駆ける姿は、またがっている僕がア然とするほどのすごさでした。競馬用語に、「飛ぶ」という言葉が新たに加わったのも、この「皐月賞」からです。

あれから10年……今年は北出成人厩舎のグァンチャーレをパートナーに、4度目のVを目指します。
注意するのはライバルの動きではなく、自分の競馬に徹すること。折り合いに気をつけ、リズムよく運べれば、前々走の「シンザン記念」のような爆発力を、もう一度見せてくれるはずです。競馬の面白さ、競馬のすごさ、そして競馬の持つ底力をお見せしますので、当日は、ぜひ、中山競馬場に足を運んでください

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