プロレスは「客席から見えてるようで何も見えてない」ことが往々にしてある。かつて「週刊ファイト」の名物編集長だった井上義啓氏は「プロレスは底が丸見えの底なし沼」と名言を吐いた。

リングは四方からすべて見えているはずなのに「真ん中」が見えないのだ。

最近なら「世IV虎 vs 安川惡斗」戦だろうか。いったいどういうワケでああいう凄惨な試合になったのか。真相は語られることがないからこそ、100人のファンがいたら100通りの見方、考え方が出てくる。いろんな解釈を聞きたいという欲望がある。リテラシーや複眼的な見方と言えばカッコイイが、野次馬の「性癖」なのだと思う。

さて、最近「真ん中」が見えないと言えば北朝鮮のニュースだ。

ちょっと並べてみただけでも、

・北朝鮮、今年に入り高官15人を処刑か 韓国情報機関(CNN・04.30)
・金正恩氏がロシア訪問を取りやめ 国内事情に関係か(CNN・05.01)
・北朝鮮が人民武力相を公開処刑、高射砲で射殺 - (TBS News ・05.14 )

などたくさん。

「いったいどうなってるの?」とザワザワする。とくに軍ナンバー2の人民武力相は、実は処刑されていないという情報も出るなど、何が何だかわからない。

ひとつだけ確実なのは、ああいう秘密の国であるかぎり、外側にいる我々は真相を知ることはできないということだ。専門家も見立てを述べるしかない。
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