―安生さんは永田さんと、お互い顔面を腫らしあっての攻防となりましたね。

安生 膝が入っちゃったんですよね。タックルにローキックが合って。

鈴木 最寄の病院に行ったら、同じ待合室に永田選手もいたんですよ。で、安ちゃんと離れて座って。ちょっと、面白い光景でしたよね。

安生 でも、永田って、もともと、顔見知りだったんですよ。Uインターに入りたがってた時期があって、よく会場に観に来てましたからね。

永島 実際にあったんだよ。「Uインターに行きたい」って、永田に直訴されて。長州に言ったら、「勝手にしろ馬鹿!」って。ZERO―ONE 旗揚げの時もそうだったけど、永田は非常に好奇心が強い。新日本のマッチメイカーは、俺の後はアイツが適任だったんだけどなあ……。

安生 でも、Uインターに来てたら面白かったでしょうね。

永島 10・9の全面対抗戦の時は、最初5000万円で契約したよな。

鈴木 違うよ、5500万。でも、チケットがバカ売れしてたから、8000万にしてくれた。

永島 だろ? 俺が倍賞鉄夫や坂口泰司に話して、そこまで上げてやったんだよ。

鈴木 ところが、永島さんも知らない話があるんだな。決戦の2日前に、俺、倍賞さんに電話かけて、「やっぱり、1億円もらわないと出ない!」って言ったんだよ。軽いジョークのつもりだったんだけど、でも、倍賞さん、「う~ん、ちょっと待ってて下さい」って。意外と払いそうだったよ(笑)。

永島 倍賞の野郎! そんなこと一度も言わなかった!

鈴木 いや、あの時、ウチに来た招待券が10枚もなかったのよ。ドームでだよ? だから、相当売れてると思って、探りたかったんだよね。

永島 でも、あの時、俺は100万しか貰ってないんだ。

鈴木 俺は0だよ!(笑)

―そして、10・9の当日を迎えます。

鈴木 あくまで個人的な考えとしては10・9、俺は全部負けてもいいって気持ちはありましたよ。プロレス界が盛り上がるなら。

安生 うん、健さんのそういう思いは聞いたことある。

永島 なに美談にしてるんだよ! 団体として、それはあり得ないだろう!

鈴木 いや、極論としては、新日本さんを信頼していたということですよ。

永島 それはお互いさまだな。高田vs武藤の試合前、武藤は俺に聞いたよ。「大丈夫かオヤジ?」って。「大丈夫だ。向こうもプロだ」って答えたけど、1度目の足4の字が解けた時は、正直、ヒヤリとしたね。

鈴木 いやあ、やっぱり高田さんの方が3センチくらい強かったよ。

永島 ちょっと待て! 敬司が弱いってことは絶対に……。

安生 まあ、どちらも元は新日本育ちなんだし、いいじゃないですか。

永島 ふふふ、そうだ。新日本と言えばさ、垣原vs健介ってあったじゃない?(垣原が勝利)。あの試合について、俺が健介を事務所に呼んで、試合についての考えを言ったら、健介は青い顔してさ。しまいには泣き出すのよ。俺は「いいか健介、リングに上がる前に終わるなよ」と言ったんだけど、リングに上がる前に終わったような顔だったよな。俺は試合後、控え室で怒ったよ。「てめえプロか! この野郎!」って。反面、安生vs長州は本当に面白かった。

安生 ラリアット食らってね。記憶飛びますよね、ありゃ。僕も豪快に吹っ飛んじゃって。

永島 安生はゴルフやった時、グリーン上で受け身とってたくらいだからね。

安生 豪快な受け身、得意なんですよ。

鈴木 永島さんとゴルフ、やったねえ。10・9が終わって、11月くらいかな? 試合に納得行かないから、「グリーン上で決着をつけよう」と。その時、俺、ホールインワンやったんですよ。

永島 ありゃあ凄かった。

鈴木 ドームの借りをグリーンで返したんですよ。

※取材全文から一部分のみ抜粋、全編は「逆説のプロレス」本誌でお楽しみください。

取材◎瑞佐富郎

まだ明かされていない真実があった……。新日本プロレスの黄金時代のスキャンダルを徹底検証した「逆説のプロレス」絶賛発売中!
「新シリーズ 逆説のプロレス」(双葉社スーパームック)より引用

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