関西のイベントでボブ選手に出演して貰った際、珍しく新幹線が京都で止まってしまうというトラブルがありました。
現場近くの新神戸駅で待っていた私はボブ選手の乗っている新幹線が該当列車と知りちょっとしたパニックとなりました。しかしボブ選手は機転を効かせて京都駅で新幹線を降り、タクシーに飛び乗って私に電話を掛けてきました。
「運転手さんに代わるから、そこまでの道を説明してくれ」イベント開始時間には本当に滑り込みにてセーフ。胸を撫で下ろしました。

また鹿児島にて試合出場を控えていた時には、羽田空港までの交通渋滞に巻き込まれ前日の鹿児島行き最終便に乗れませんでした。この時にはまだ便のあった福岡行きに乗ってもらい、福岡から最終の新幹線に乗って鹿児島入りして貰いました。明日の試合を控えて疲労困憊状態のボブ選手を見た私は、一刻も早くホテルで休ませたいと考えました。しかし地元プロモーターは明日の興行のスポンサーに挨拶に行って欲しいと譲りません。
揉めている私たちを見たボブは「いいよ甘井、行くよ。約束だったからな」と定刻便で来ていた場合の予定を5時間押しとなっているのにこなしてくれ、私の立場を守ってくれました。ボブの仕事に対する態度はいつも真摯で、私は共感するとともに見習わなければと思っております。

ボブ選手とビジネス的に決裂する人は似たようなパターンの人が多いように思います。約束や条件を次々と変える人です。FEGの谷川氏にもそんな所がありましたね。きっちりと仕事内容、報酬の条件を伝え、そしてその仕事に対してイエスかノーかを聞く。それをちゃんとしていればボブは問題を起こすような人物ではありません。
谷川氏との確執は双葉社から出版された『野獣の怒り』に詳しいです。ぜひ読んでみてください。この本が出た頃、色々な会場で即売会をしたのも良い思い出です。この本にはK-1アムステルダム大会での「ドタキャン事件」の真相も書かれております。また2010年大晦日「Dynamite!!」での試合放棄事件では私もバックステージに居りました。試合直前に予定されていたファイトマネーを半額にダンピング相談されたようで、もし当時、私がマネージメント等に関係していたとしても、やはり同じように「試合をするべきではない。帰ろう」と言っていたでしょうね。呆れる話です。

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