作り笑いだけで免疫力が強化

驚異の特効薬、それが"笑い"なのだ。伊丹院長が続ける。
「米国がん研究の最高峰といわれる"スローン・ケタリング・がんセンター"では、"笑い"も含む療法が取り入れられています。また、病室のテレビにコメディ専用のチャンネルを敷いたり、ボランティアがジョークグッズを積んだ手押し車を引いて各病室を回っている病院もあります。ビデオ、本、ゲーム、パズルなどを置いた"ユーモア・ルーム"を設置している所もありますね」

この点では、我が国は米国に比べて遅れており、2005年から社団法人が「笑い療法士」という"笑い"を引き出すサポートをする資格を認定している程度。現在、認定者は約700名。ボランティアで病院を回るというものの、あまり活用されていないようだ。
「"笑い療法"を、がん治療の一環として保険適用にすれば、大きな医療費削減にもつながると思うんですが、そんな動きは聞こえてこないですね」(前同)

近い将来、安倍首相がアベノミクス"第4の矢"に取り入れてくれればいいが、まずは自分でやるしかない。"笑い"を効果的に取り入れる方法を、お伝えしていこう。

●作り笑い
実際に笑わなくても、"笑った顔"をするだけでNK細胞が活性化するという。
「林啓子博士(元筑波大学人間総合科学研究科教授)によれば、表情筋は直接、脳神経につながっているので、面白くて笑ったのと同じ反応が脳内に作り出されているつまり、β-エンドルフィンの分泌が条件反射でなされている、ということです」(同)

●川柳本を読む
伊丹院長のオススメが、こちら。
「"サラリーマン川柳"などがまとめられた本を読む。それで、気に入ったものを周囲の人に聞かせたり、メールで送ったりして、一緒に笑う。そのうち、自分でも自然に川柳が出てくるようになります。自身のオリジナルのもので笑えば、楽しさも増し、さらに効果はアップするでしょう」

●カラオケ、スポーツなど好きなことに打ち込む
結局、ストレスのない"楽しく何かに打ち込む状況"を作り出すことがいいのだ。
カラオケ、スポーツなどの娯楽に打ち込むと、NK細胞が活性化することは各大学の実験結果で出ており、実証されていると言えるだろう。

伊丹院長が言う。
「私は約30年、『生きがい療法』なるものに取り組んでいますが、その基本方針のひとつに、自分ががんと知ったら、"死の恐怖をそのまま横に置いて、今できる最善の行動を取る"ということがあります。現実を前向きに受け入れ、ストレスとは正反対の"笑い"をすることで、免疫機能は高まるんです」

健康のために、さあ、腹を抱えてガハハと笑いましょう!

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