現役時代のキャラクターを買われて、球団職員になった選手もいる。元西武の平尾博嗣(39)だ。93年に阪神に入団し、01年途中に西武に移籍すると一気に知名度が上がる。茶髪、日焼けサロンに通ってこんがり焼けた黒い肌という出で立ちから、“チャラ男”の愛称で親しまれた。「08年の巨人との日本シリーズでは、第7戦に日本一を決める決勝タイムリーを放つなど、ここ一番での勝負強さが光りました。引退後は、西武の球団職員の地域事業担当となり、幼稚園や保育園の訪問や、商店街と連携してイベントを開催したりしていますね」(西武担当記者) 地元のテレビ局やラジオ局でレギュラー番組を持つ平尾。持ち前の明るさと、芸能人顔負けのトーク力で球団の魅力をアピールしている。

 広島の投手だった苫米地鉄人(34)は、変わった経歴の持ち主だ。珍しい苗字と、女優の松島菜々子と親戚ということで記憶している読者もいるだろうが、相次ぐ故障により06年に引退。すると、彼は専門学校に通い、鍼灸師の国家取得を取得する。それは、故障で苦しんだ自身の経験を生かして、トレーナーとして球界に復帰するためだった。「その夢が叶い、11年に広島に復帰しました。若手選手のトレーニングメニューを決めたり、黒田博樹のケアをしたりと、チームにとっては欠かせない存在となっています。それだけでなく、選手たちにとって良き相談相手でもあるんです」(広島担当記者)——裏方になっても野球を愛する気持ちは変わらない。彼らの存在がプロ野球全体を支えているのだ。

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