その裏づけが、『ミヤネ屋』の快進撃であることは間違いない。「フジが安藤優子を立てて挑んだ『グッデイ』は、絶望的な視聴率。TBSの『ゴゴスマ~GOGO! Smile!』も低迷し、『ミヤネ屋』の独り勝ち状態を加速させています」(テレビ誌記者)

 この宮根人気の理由を、放送評論家の小田桐誠氏はこう解説する。「関西人ならではの親しみやすいキャラクターもあり、難しいテーマでも、本音に皮肉や笑いを上手くまぶして、角が立たないように伝える術がありますよね。しかも、臨機応変に、どんな話題やハプニングにも対応できます」

 そんな宮根が、自分を脅かす存在として最も意識しているのが、羽鳥慎一なのだという。「羽鳥の日テレ退社を後押しし、自分の事務所に引き込んだのが他ならぬ宮根。しかし宮根は、徳光さんに“『24時間テレビ』の総合司会はお前に譲る”と言われたにもかかわらず、その座を羽鳥に奪われた。冗談めかして“徳光さんは信用できない!”なんて言っていましたが、内心、穏やかじゃないと思いますよ」(芸能プロ関係者)

 その羽鳥は、9月の番組改編で、それまでの『モーニングバード』に替わってスタートした『羽鳥慎一モーニングショー』が好調。後塵を拝してきた日本テレビの『スッキリ!』を逆転する日も増え、トップのフジ『とくダネ!』の尻尾も掴む勢いなのだ。「モーニングバードから続けてきた、羽鳥がパネルでニュースを解説するコーナーが、特に人気だといいます」(テレビ誌記者)

 前出の小田桐氏も、「3人の中では、最も視聴者に受け入れられやすく、柔らかい雰囲気を持っているのは大きな強み。井上ひさしさんの“むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく……”という精神に近いものを、最近の羽鳥アナから感じます」と絶賛するのだ。「うかうかしてはいられないと、宮根さんも刺激を受けているんじゃないですかね」(前出の番組関係者)

 ちなみに、羽鳥が理想とするキャスターも、古舘伊知郎。フリーになった直後、雑誌『GOETHE』のインタビューで、<報道、スポーツ、音楽、バラエティ、すべての分野で個性を発揮してきました。本当に凄いことです>と、尊敬の念を口にした。「羽鳥は、徹底的にものすごい数のVTRを見ることで現在のスタイルを築いた、いわば努力の人。一方の古舘は、脳の構造から他人と違い、ひたすらしゃべり続けられる“超女脳”の持ち主(笑)。自分にないものへの憧れでしょうね」(前同)

 入り乱れる三者の思いだが、はたして天下を取るのはいったい誰なのか? 最後に、乱世を生きる身としか思えない、ある発言を紹介しよう。「やっぱり視聴率がある意味、すべてですよね。テレビ局のスタッフの人でも、社会的に意味がある番組やってるから、視聴率は二の次だって言うんですけど、視聴率が悪いってことは誰も見てないってことでしょ。だから、どんな卑怯な手段使ってでも見てもらって、その後に自分たちのやりたいことをやるのがテレビなわけで、視聴率獲るためにはどんな卑怯なことでもやったほうがいい」 そう言いきったのは、宮根誠司だった。天才・古舘、努力家・羽鳥を食うのは、やはり、覇王・宮根なのか……。2016年、三つ巴の争いが、ますます過熱することは間違いなさそうだ。

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