1月16日の競馬で3勝を挙げ、「よし、今日も!」と臨んだ翌17日の勝利はひとつだけ。自分の競馬はできたものの、58キロのハンデがこたえたGⅢ「日経新春杯」のサトノノブレス(3着)を筆頭に、もうひとつ爆発力に欠けた一日になりました。

 5日に始まった「金杯」から、開催6日間でここまで7勝。気の早い記者の方は、「このペースでいけば今年も年間100勝を超えますね」と声をかけてくれますが、それは机上の空論で、「なるほど。よし、よし」とうなずいてしまうほど競馬は単純なものではありません。ケガをしたらその時点でアウトだし、先週勝ったから今週も勝てるという保証はどこにもありません。だいいち、その計算でいくと、今年の勝利数は去年とほぼ同じ(106勝)ようなもので。200とはいいませんが、もっともっと勝ちたいと思っている僕にとっては、あまりうれしくない計算結果です(笑)。

 重賞をばんばん勝ちたいし、GⅠでは、もっと目立たないといけない。クラシックも取りたいし、とりわけダービーは、何が何でも勝ちたい。

 そういえば――先週、送っていただいている本誌を読んでいて、思わず、本を落っことしそうになりました。

 ――えっ、武豊も袋とじを開けるのかって!? そうじゃありません。伊集院静さんのエッセイ『作家の遊び方』を読んでいたときのことです。昨年末のケイリングランプリの分析から、元旦の過ごし方になり、“一家にギャンブラーは一人”という伊集院さんらしい至言について書かれていた後……最後の2行に目を落としたときでした。

 <今年は武豊騎手がひさしぶりにダービーを取りそうな気がする。>この言葉はうれしかったですね。先週号で、今年、ドバイに遠征する所有馬3頭に、「全部乗れ」と声をかけてくださったノースヒルズ、前田幸治代表の言葉が励みになると書きましたが、伊集院さんの言葉は、さらに心強く感じました。

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