昨年、そんなタモリ大明神にすがるように出演をオファーしたのが、NHK紅白歌合戦だった。「しかし、スケジュールを理由に、タモリに断られ、司会者選考は混迷を極めることになりました。ギリギリで黒柳徹子に落ち着きましたが、タモリに見放された紅白は、あわれ史上最低の視聴率となってしまいました」(前出の芸能記者)

 もし、タモリが司会を引き受けていたら、結果はどうなっていただろうか? タモリウォッチャーとして知られる、放送作家のやきそばかおる氏は、「史上最低ってことは、絶対になかったと思いますよ」と、こう話す。「ズバ抜けた才能はもちろんですが、タモリさんって、強烈な守護霊でもついているのか、“出会い引き寄せ運”がスゴいと思うんです。まず、ご自身が、ジャズミュージシャンの山下洋輔さんや赤塚不二夫さんとの偶然の出会いから、芸能界デビューのきっかけをつかみ、今の地位に上り詰めていますよね。数々の番組の成功も、そんなタモリさんが面白い人をグイグイと引き寄せ、視聴者まで引き寄せてしまうから。紅白も、そんなタモリさんの強運があれば、結果は違ったはずですよ」

 現在、そんなタモリの神がかった強運に、なんとしてもあやかりたいと思っているのは、視聴率低迷にあえぐフジテレビだろう。「『いいとも!』終了後にスタートした『ヨルタモリ』は、日曜夜11時台であるにもかかわらず10%を超える高視聴率を記録しましたが、昨年9月、当初の予定通り1年限りで終了してしまいました。フジは、ゴールデン進出を条件にタモリを口説いたそうですが、“ゴールデンでやる番組じゃないよ”と、これを断ったそうです。しかし、その後も、一向にヒット番組を生み出せないフジは、タモリの再登板に最後の望みをかけ、粘り強く交渉中だそうです」(番組関係者)

 ちなみに『ブラタモリ』は、土曜夜7時半からの放送で、毎回、楽々10%を超える高視聴率をマークし、11月には15%に迫る数字を叩き出しているのだから、フジにとってみたら、「神様、仏様、タモリ様」と、すがりたい心境だろう。「フジ局内ではまた、タモリを“お昼の顔”にと真剣に検討されているといいます。フジ以外の局も、タモリを担ぎ出せと大号令がかかっています」(前同)

 この異常人気の理由を、お笑い評論家のラリー遠田氏は、こう解説する。「90年代以降、テレビの中は芸人だらけになったことで、視聴者は、ずっと過剰に発達したお笑いテクニックの応酬を見せられてきて、そろそろ“もういいよ”と言いたくなっています。そんな中、あれだけテレビで活躍しながら、唯一、その色に染まっていない“奇跡の存在”がタモリさん。その姿に安らぎや癒しを感じ、つい求めてしまうのは自然なことなのでは」 やっぱり、タモリはスゴい!

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