俳優では西島秀俊(44)が、初めて一人暮らしをしたのが中新だった。『ビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送・1981年〜1990年)の録音テープを数百本も持っていたほどのビートたけしファンとして知られる西島だが、どういう因縁か、図らずも若き日からたけし軍団エリアにとりこまれていたのだった。

 たけし軍団ではないが、交流の多い松村邦洋(48)も、中新では有名人だ。中野新橋駅から数百メートルのところにある、夜の2時まで営業している銭湯で何度も目撃されている。毎朝5時に起きて、公園で近所のおじいちゃんおばあちゃんとラジオ体操をするのが日課。そのまま一緒にウォーキングをして皆でファミレスでモーニングを食べているのだとか。また、中野新橋商店街祭りのステージに飛び入り参加してしまうなど、在住歴25年以上の最も地元住民に愛されている中新芸人だ。

「中野新橋」という銘板の付いた朱塗りの橋の架かる神田川を挟み、駅を中心にして商店や飲食店が集まっているこの一帯、何気に風情のある所なのだが、それもそのはず、昭和40年代までは料亭や芸者置屋が何件も集まる花街だったのだ。かつては芸者置屋から三味線の音が響き、通りを芸者さんが行き交っていたのだが、今や数軒の料亭が残るのみで、かつて栄えた面影はほとんどない。しかし、その気になれば歩いても行けるほど新宿へのアクセスが良く、実は人気のエリアだ。地味ながら一度住んだらなかなか抜けられないと言われる「隠れ住みたい街」だけに、売れたあともなかなか引っ越す気になれないのかもしれない。

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