実力さえつけば、どんな選手でも積極的に使ってもらえる。そんな希望があれば、やる気も倍増する。「そのとおりです。一般的に監督が代われば選手の意識は変わります。監督交代は、淀んだチームの空気を入れ替えるいい機会なんです」(前出の橋本氏)

 当然、これは阪神にも言える話。金本知憲監督は就任会見で、「補強なしで、いまの選手で勝って(優勝を)掴んでいくのが理想」とブチ上げ、選手の心をわし掴みにした。そして、「どんな監督になりたいですか」と記者に問われると、「まず厳しさのある、それでいて愛情もあって、明るいところ(監督)を目指してます」と答えた。

 その言葉どおり、何より厳しさが前面に出るのが金本色だ。キャンプでは初日から、返事のない選手に怒声を飛ばす場面もあり、就任会見での言葉が嘘ではないことを証明した。ちなみに、巨人、阪神の両チームに同時に新監督が就任したことは、過去に4度あった。そして、合計8人の新監督のうち、優勝の栄冠を手にしたのは、02年の巨人・原辰徳監督のみ。あの年の巨人は、投げては上原浩治や桑田真澄、打っては松井秀喜らが大活躍。結果、2位に11ゲーム差をつける独走でリーグ優勝。そして、日本シリーズでは球団史上初のストレート勝利で日本一に輝いた。

 さて、高橋の“実力至上主義”と金本の“厳しさ”、どちらの采配に軍配が上がるのか。来季の開幕が、いまから待ち遠しい。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2