しかも、大人だけではなく、日本中の子どもたちがミー(未唯mie)とケイ(増田恵子)に夢中になった。その人気は、まさに“国民的アイドル”。全盛期は、テレビをつければ必ずどこかのチャンネルに2人が出ていた。「81年の解散以後、2人の芸能活動は決して不調ではなかったですが、世間のニーズもあり、何度も再結成を繰り返すことになります。そして、2010年には、“解散やめ!”を宣言。今後もピンク・レディーとしての活動は続くようです」(前出の音楽関係者)

 70年代の後半、女子プロレス界で異変が起きていた。試合前にリング上で歌を披露するビューティー・ペア目当てに、少女たちが会場に殺到したのである。「引退後、スポーツトレーナー的な活動をしていたジャッキー佐藤は、99年に41歳で胃がんのため他界。マキ上田は50歳近くになって結婚し、浅草にある釜飯店の女将として忙しい日々を過ごしています」(プロレス誌記者)

 松田聖子、中森明菜らソロのアイドルが主流だった80年代前半にビッグヒットを連発したグループが、『欽ちゃんのどこまでやるの!?』(テレビ朝日系)で、三つ子の姉妹を演じていた3人組、わらべである。「特に高部知子は、高視聴率を記録したドラマ『積木くずし』(TBS系)で不良少女役を熱演して、高い注目を浴びましたが……スキャンダルが発覚したんです」(元芸能記者)

 写真誌に、ベッド上で煙草を手にした写真が掲載されたのだ。「今も使われる“ニャンニャン写真”という言葉は、デビュー曲『めだかの兄妹』での高部のソロパートの歌詞“ニャンニャン”が語源でした」(前同) この騒動で、わらべは倉沢淳美と高橋真美の2人組に。それでも、第2弾シングル『もしも明日が…。』は年間チャート1位の大ヒットとなった。「高部は謹慎期間を経て、芸能界に復帰しましたが、現在は精神保健福祉士として活動中。倉沢は外国人男性と結婚しました。今は、ドバイで優雅な暮らしをしています」(同)

 わらべの活動期と同じ頃、土曜の深夜番組『オールナイトフジ』(フジテレビ系)に出演していた素人女子大生集団「オールナイターズ」の人気が、関東ローカルながらジワジワと上昇していた。「メンバーは普通の女子大生。人数が多いこともあり、“不人気メンバーなら、俺でもつきあえるんじゃないか”なんて妄想を抱ける存在でした」(下関氏)

 今は文学座の女優となった山崎美貴ら3人は、おかわりシスターズのグループ名で歌手デビュー。コンサートを開催し、CMやドラマに出演するまでになる。昭和文化研究家のミゾロギ・ダイスケ氏は、「この番組で成功した“普通の女子大生のアイドル化”を低年齢化させ、全国展開したのがおニャン子クラブです」と解説する。オールナイトフジと同じスタッフによる夕方の帯番組『夕やけニャンニャン』に出演していたおニャン子クラブは、社会現象的な人気を獲得する。「アイドル界のハーレムと言うべきか、大奥と言うべきか、そんな存在が初めて誕生したんです」(自営業)

 そして、おニャン子は現在のアイドルにも大きな影響を与えている。「おニャン子で導入された、メンバーの新陳代謝がある多人数グループの様式は、後にモーニング娘。やAKBに受け継がれていますよね」(前出のミゾロギ氏) 今も芸能活動を続けているのは、新田恵利、国生さゆり、城之内早苗、渡辺美奈代、渡辺満里奈、工藤静香、生稲晃子など。バツ2の国生以外は全員、人妻になっている。「一方、ミュージシャンの後藤次利と結婚した河合その子、秋元康夫人となった高井麻巳子をはじめ、福永恵規、永田ルリ子、岩井由紀子ら引退組も、その多くが結婚しています」(前同) 

 おニャン子とは同時代のグループで、今でもマニアたちの間で、話のタネになるのが3人組の少女隊と、4人組のセイントフォーである。「当時としては、どちらも前衛的過ぎて、爆発的人気とはなりませんでしたが、マニア受け要素は実に強かった」(前同)

 そんな彼女たちは、今どうしているのか?「少女隊のミホとトモ(途中加入)は主婦。脱退したチーコは理容室を営んでいます。レイコ(安原麗子)は、今も芸能活動中です」(同) セイントフォーの中で目立った活動をしているのはセクシー路線に転じた浜田範子(濱田のり子)だ。「2013年に濱田のり子、岩間沙織、鈴木幸恵の3人が復活ライブを開催。当時のファンが多く集まりました。また、昨年はテレビにも出演しました。ただし、メガネキャラの板谷祐三子とは連絡が取れないとか」(同)

 80年代中期でいえば、プロレス界と芸能界の両方を席巻していたクラッシュギャルズも印象強い。「長与千種とライオネス飛鳥の2人は現在、それぞれ飲食店を経営しつつ、さまざまな形でプロレス界とも今でも関わっています」(前出のプロレス誌記者)

 “B級アイドルグループ”では、84年デビューの3人組、セブンティーン・クラブも無視できない。「まったく売れませんでしたが、メンバーにおニャン子加入前の工藤静香とモデルの清原亜希がいた。つまり、木村拓哉夫人と清原和博元夫人が属していたことで伝説化しています」(前出の出版関係者)

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