オール野党といっても、内実がこれでは、確かに“オカラ”も同様。加えて、合併相手の維新関係者は、こう耳打ちする。「野党勢力を幅広く結集すると言いながら、民主党幹部は3名の議員の名を出し、“彼らは除外する”と明言しているのです」

 その1人は、かつて“剛腕”の名をほしいままにした生活の党の小沢一郎共同代表だ。小沢代表は、民主党時代に党を分裂させ党勢減退を招いた張本人とされ、「小沢抜きでなければ辞表を出す」と息巻く民主幹部もいるとか。「小沢氏の他、同じく生活の党共同代表の山本太郎氏、それから福島瑞穂社民党前党首の3人が“仲間外れ”にされるというのです」(民主党中堅議員)

 “仲間外れ3人衆”のうち、特に小沢代表の扱いを巡って、新たな火種が燻っているという。「民主党内に“小沢アレルギー”が強いのは事実。ただ一方で、政界には“小沢チルドレン”がまだ残っています。維新の松野代表もその一人で、彼は“政権を奪取したら、小沢氏を国対委員長に据えたい”と言っているくらいですからね」(前出の維新関係者)

 ことほどさように、“オール野党”とは名ばかりで、もはや、野合すら実現できそうにない状況なのだ。おまけに、記事冒頭の4月衆院解散説については、こんな裏話も飛び出す始末。「もともとは官邸筋が引き締めのために流した情報ですが、それを鵜呑みにして4月解散の噂をバラ撒いているのは、民主党の枝野幸男幹事長。伊勢志摩サミットを控え、安倍首相は5月の連休中に欧州を歴訪する必要があります。その頃に選挙なんてやっていられません」(前出の記者)

 自民党内での枝野幹事長評は、“政局勘のない人”で一致しているという。「野合の野党をよそに、自民党は余裕綽々。女子サッカーの澤穂希氏や、キャスターの小谷真生子氏らを候補に立て、オール野党陣営の都市部での票を切り崩す算段に余念がありません」(前同)

 前出の鈴木氏が言う。「野党各党はもはや、好き嫌いを言っている場合ではありません。小沢氏という毒すら飲み込む覚悟で、緊迫感ある2大政党制の実現を図ってもらいたい」 少なくとも巨大与党に対抗できるのは“オカラ”ではないだろう。

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