一方で、純粋に反社会組織の運転手という仕事もあるという。「昨今は反社会組織に厳しい環境だけに、貴重な人員を運転手に専念させることのできない組織もあります。そこで、一般人に依頼するケースが出てくる。基本的には3次や4次といった団体の話でしたが、数年前には某広域組織の2次団体で、それが見つかって、警察に事件化されたこともあります」(同) この場合、バイト料は時給などではなく、「一般人といっても、建設会社の社員などが仕事の受注目当てで人を出すケースがほとんど」(同)だそうだ。

 また、純粋なドライバーというバイトではないが、車の名義貸し&転売をして稼ぐ人もいるという。広域組織3次団体幹部が言う。「現在、暴排条例が普及してしまったせいで、ディーラーなどから車を購入できないんだ。そこで、オレらに代わって車を購入してもらう名義貸しや、個人間売買で購入したとするために、一般人に一度購入してもらって、しばらくしてから引き取る転売という形で、入手することが増えてきているよ」 その場合、彼らは手数料を払ってくれる他、購入後すぐに転売すると警察から目をつけられるため、数週間から数か月は実際の乗車が必要となるため、実質、車をタダで利用できるのだ。

 とはいえ、これらは闇社会との接点が必要となるが、身近にできる裏稼業バイトもある。都内在住の会社員、三田氏(40)が声を潜めながら、こう話す。「一昨年、待望のマイカーを買ったんですが、平日休みの仕事に就いているため、土・日に乗ることがありません。そこで、手を出したのが個人レンタカーです。土・日に車を使いたい人に、“1時間1000円+使用したガソリンだけ給油する”という条件で近所や知人に触れ込んだところ、これが大成功。月に5~10万円の収入になりました」 1、2時間だけ車を使うために専門のレンタカー屋に行くのをためらっていた人が、殺到しているそうだ。

 また、車を持っていなくても、自宅前のスペースを貸して収入を得ているというのは、片岡氏(34)。「マイホームを買った際に駐車スペースを確保したんですが、財布が厳しくて車はなかなか買えない。そこで、車を購入するまで、とりあえず、そのスペースを月2万円で近所の人に駐車場として貸しています」

 一般人が、つい手を出しがちなアルバイトドライバー。その仕事の適法性は確認済みですか?

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