とはいえ、平均的な入院日数では治らず、1年6か月を超えても働けないという事態もあり得る。さらに、傷病手当のない自営業やフリーターの場合、長期入院は収入の減少に直結する。こうした場合、検討に値するのは、就業不能時に減ってしまった収入を補償してくれる保険。「勤務先の団体保険に長期所得補償保険があれば、優先的に検討すると良いでしょう。個人向けでは、『日立キャピタル損害保険「リビングエール」』や『ライフネット生命「働く人への保険」』。どちらも、60日や180日を超えて仕事に就けない状態が続いた時に初めて給付金が支払われます。就業不能状態に備える保険は、住宅ローンを抱えている人などにとっては、収入減の影響を想像すると、医療保険などより優先的に検討されるべき保険です」(後田氏)

 これらの保険は、がんで休業中の人への支払いが最も多く、骨折により働けない場合でも支払い実績があるという。“それなら、がん保険もあるのでは!?”と思うが、「がん保険は宝くじよりも加入者への還元率が低い、異様に不利な賭けです。しかも、『アフラック』が、実際にがんにかかった経験のある人を対象にしたアンケートでは、がん治療全般(入院・食事・交通費などを含む)にかかった費用は、50万円程度、もしくは100万円程度と答えた人が最も多く、全体の7割を占めました。これは貯蓄でもまかなえる額でしょう」(前同)

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