月額で670円、年間で8040円も負担が増える国民年金保険料については、「現金でまとめ払い(前納)すると、年間で3460円割引されますので、負担増が軽減されます」(前同)

 また、「おくすり手帳」を持参しないと1回あたり約40円の負担増(3割負担のケース)となるなど、4月から改定された医療費だが、ある病院の関係者は、次のようにアドバイスする。「診療報酬が全体的に改定されているので、事前に病院に確認するといいでしょう。中には、改訂による診療代の高騰を利用して、余計な診療報酬を請求されるケースもありますからね」 さらに、薬代についてもこう続ける。「今回の診療報酬改訂で、コンビニなどでも売られているジェネリック医薬品(後発医薬品)の価格が、さらに下がることになりました。これを積極的に利用することで、トータルの医療費を抑えられますよ」

 一方、自動車重量税も新車の登録から13年経過すると約5%増税されるが、「新車が売れないための税制です。実際、10年以上乗った車は燃費が落ちますので、買い替えを検討中の方は、今の車をいつ買ったかチェックするといいかもしれません」(前出の杉村氏)

 また、車関係では、首都高や第三京浜など複数の高速道路の利用料金も引き上げられた。ドライバーにはより厳しくなるが、「東京の周囲を走る外環道は値下げされましたので、地方から地方へ移動する際は、首都高を走らずに外環道を利用することで、料金を抑えられる可能性があります。また、高速道路は時間帯や曜日によって30~50%割引されますので、うまく利用したいですね」(高速道路事情に詳しいジャーナリストの村松虎太郎氏)

 これまで値上げ対処法を紹介してきたが、実は“物価上昇地獄”は、まだまだ始まったばかりだという。「これから2年の間に、値上げラッシュが続き、アベノミクスの目標である2%を超える上昇率となる可能性があります」(杉村氏)

 そこで把握しておきたいのが、事前の“値上げ情報”だ。もし分かっていれば、一時的とはいえ、買いだめなど打てる手も多くなる。前出の森永氏によると、今後値上がりしそうなのは、「輸入品や輸入原材料を多く使う商品です。具体的には、ガソリン、灯油、小麦粉、菓子、アイス、麺類、乳製品、プラスチック製品などに注意したいですね」 生活を防衛するには、世の中の流れを見ることも肝要。庶民の知恵で、なんとか乗り切りたい。

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