そう考えると、羽鳥とのコンビというのも合点がいく。「橋下さんの過激な発言を上手にフォローして、問題にならないように調整していける力があるのは、好感度が高く安定感抜群の羽鳥さんくらいでしょう。そういう意味では、新番組で橋下さんは、報ステのキャスターとして必要なバランス感覚を身につけようとしているのかもしれません」(前出の川内氏)

『サンデー・ジャポン』(TBS系)などでの共演を通じ橋下と親交の深い、テレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏も、この可能性を否定しない。「今のテレビ業界は、自分の意見で視聴者を納得させられるだけの力あるキャスターが不足しています。橋下さんは、タレント、弁護士、知事、市長、党首という類稀なキャリアの持ち主であり、何よりテレビ的に言えば“話せる人”です。大物キャスターになれる素質は十分なんですよ」 今から半年後の10月には、早くも“報ステキャスター.橋下徹”が見られるかもしれない……。

 しかし一方で、こんな声も聞こえてくるのだ。「“政界復帰はない”と明言している橋下氏ですが、かつては“2万%ない”と言いながら、大阪府知事選に出た男ですからね。今も、おおさか維新の会の法律政策顧問として党の会合にも出席しており、政界との関係は保ったまま。事実上は、現役といってもいい立場でいるのが、今も政治への情熱を失っていない証ですよ。機運が高まれば、前言を撤回し、堂々と政界復帰をするのでは……」(民放局政治担当記者)

 また橋下は、昨年12月に市長を退任した直後、都内のホテルで安倍首相と3時間半にもわたる会談を持ったことが報じられている。「おおさか維新の会と自民党との政策面での連携や国会や選挙での協力について意見交換をするなど、橋下氏と安倍首相が親密な関係を維持していることは間違いありません」(前同)

 なんでも、安倍首相こそが、橋下の政界復帰の最大の仕掛け人だという。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、「安倍官邸からすれば、橋下徹という男の存在感は、ますます高まっていると思います」とし、こう続ける。「今年に入り、自民党は甘利大臣のスキャンダル、宮崎謙介元議員のゲス不倫などなど、問題続き。特に、“保育園落ちた日本死ね”問題の対応の不手際により、女性の支持率が大きく低下しています」 そんな中で、迫る夏の参院選。官邸、自民党内の選挙への不安感は高まるばかりだというのだ。

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