しかし、前田の年俸は300万ドルと、金満球団・ドジャースにしては信じられない安さ。健康診断で故障のリスクがあるとされた結果だが、実は基本年俸が抑えられた裏で、多額の出来高契約が存在している。「年間32先発、200イニングをクリアすれば、総額1315万ドル(約14.5億円)を手にする。厳しい条件ですが、十分すぎる報酬です」(テレビ局関係者)

 ちなみに昨季のマエケンは、29試合206イニングに登板している。また、「前田は広島時代から中5日や4日の調整を好んでいた。無駄な投げ込みをしないのも信条だし、明らかにメジャー向きです。同僚で同い年のクレイトン・カーショウは、サイ・ヤング賞3度受賞のスーパーエース。その刺激も大きいはず」(夕刊紙デスク) カーショウの年俸、3000万ドル(33億円)に追いつく日も近い?

「ドジャースの本拠地・ドジャースタジアムは、広くて空気も湿っているので、メジャー屈指の投手有利な球場。いくつ勝つか、楽しみですね」(福島氏) 最多勝とサイ・ヤング賞を目指す際に「1年を通してローテーションを守る」ことは必須の条件となる。「田中は現在、ローテの一番手、岩隈は二番手、前田は三番手ですが、30試合200イニングが一つの目標ですね」(福島氏) これを達成して勝ち星を重ねれば、メジャー投手最高の栄誉であるサイ・ヤング賞も夢ではない。

 伝説的な名投手の名を冠したこの賞は、毎年各リーグ1名が投票で選出されるが、侍投手が最も近づいたのは13年。受賞者はマックス・シャーザーだったが、2位がダルビッシュ、3位が岩隈だったのだ。「ダルビッシュは209回を投げて13勝9敗、防御率2.83はリーグ4位、奪三振は277で1位、投手の実力を表すWHIP(※1投球回あたり何人の走者を出したかの数値)は1.07で4位でした。岩隈は14勝6敗、防御率2.66、WHIPは1.01。2人のどちらかが獲っていてもおかしくはなかった」(福島氏) 最多勝もサイ・ヤング賞も現実的な目標。田中、前田、岩隈は栄冠を手にできるか。長いシーズンが今、始まった。

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