――演歌歌手としてデビューするきっかけは、AKB48のイベントだったそうですね?

岩佐:はい。AKB48のイベントでカラオケ大会があって。プライベートではよく演歌を歌っていたのですが、ファンの方の前で歌う機会がなかなかなくて。そのときに、母が「演歌を歌ってみたら?」と言ってくれて、『津軽海峡・冬景色』を歌ったんです。実は、AKB48のオーディションがあるのを教えてくれたのも母でした。それがなかったら、応募していなかったと思います。

――お母さんには頭が上がりませんね。ソロデビューが決まった瞬間は、うれしかったですか?

岩佐:幼い頃から歌手になりたかったのですが、そんなお話をいただけたことが、私にとっては本当に奇跡でした。歌手デビュー以前に、アイドルとしてもっと頑張らなきゃいけないと思っていたときに、夢のようなお話をいただいて、本当にうれしかったです!

――14年にリリースしたソロ3rdシングル『鞆の浦慕情』は、演歌歌手としては約4年5か月ぶりに、オリコン週間シングルチャートで初登場1位を獲得、10代の演歌歌手としては約27年7か月ぶりとなる快挙を達成したわけですが。

岩佐:ありがとうございます。自分自身にとっても自信につながりました。

――とはいえ、アイドルと演歌歌手の両立って大変だったんじゃないですか?

岩佐:キツイとかツライとか思うことはなかったですね。演歌の世界はまったく分からない状態で始まったので、“しっかりしなくちゃ!”という思いはすごくありましたけど……。

――アイドルと演歌歌手とのギャップに戸惑うこともあったのでは?

岩佐:ジャンルが異なる世界なので、空気感が違うなというのはありました。アイドルの場合、まず自分が楽しむことが第一というか、自分たちが楽しんでいる姿を見て、ファンの方にも楽しんでいただくという雰囲気があると思うんです。でも演歌の場合は、ファンの皆さんに歌を伝えることが一番になるので、緊張感は演歌歌手としての活動のほうが大きかったです。でもその分、一つひとつのお仕事で自分が成長しているという実感があったので、すごく楽しかったです。

――今後は歌手一本で勝負していくわけですが、当面の目標を教えてください。

岩佐:演歌はもちろん、爽やかな雰囲気の歌謡曲も、“あの人が歌うとステキに聴こえるよね”というような、どんな歌でもその世界観を表現できるような歌手になりたいです。ゆくゆくは、ツアーもやりたいですね。東京、大阪、名古屋みたいな感じでやれたらいいな。どこに行っても、私の歌が好きという方がいらっしゃるようになれば、歌手として、これほどうれしいことはありません。

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