中国マフィアが「日本の不良」を“爆買い”している!?の画像
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 闇勢力が“ワルのエリート”をヘッドハンティングしている。悪のノウハウごとお買い上げとくるからまったく恐れ入る。

「爆買い」。来日した中国人観光客が大量に商品を買い込む姿があちこちで見られ、昨年の「流行語大賞」にも選ばれた言葉だが、この爆買いが家電商品や粉ミルク、オムツに止まらず、なんと裏社会の「人材」にまで及んでいるという。

「2013年3月、警察庁は関東連合、怒羅権などの半グレ集団の取締り強化に乗り出しましたが、中国裏社会の“人材の爆買い”も、その頃から顕著になってきましたね」 こう解説するのは、裏社会に詳しいフリーライターの下河原弘達氏だ。「彼らのような、いわゆる不良は、以前は“反社会的組織”が吸収していました。ところが、11年10月の東京都を最後に全国で暴排条例が施行され、徹底的に締めつけられ、この受け皿が機能しなくなった。そこに、中国のマフィアが手を伸ばしてきているのです」(前同)

 下河原氏は背景には犯罪の国際化があると指摘する。「日本国内の締めつけが厳しくなれば、活動拠点が海外に移っていく。振り込め詐欺の電話の発信地が中国が主流になっているのも、その典型。日中間に犯罪人引き渡し条約が締結されていないのも、彼らには好都合なのです」

 さらに、中国のマフィアが“金さえ稼げれば方法は問わない”という方針であることも、人材の爆買いが増えた一因でもあるようだ。ある関東の反社会的組織の幹部が言う。「奴らは手っ取り早く儲けられれば、なんでもする。仁義なんてありゃしない。逆に、何をやっても儲ける奴が偉い。若い奴らも、かつて我々がやってきたような下積みをやらなくていいんだから、あっちに流れる。ついこの間まで下っ端だった奴が、上海じゃマフィアの幹部だっていうじゃないか」

 手っ取り早く儲けるため、中国の裏社会はノウハウや人脈ごと人材を“お買い上げ”。そして、香港、マカオ、上海などで、元半グレたちは“幹部”として「大きな顔をしている」(前同)という。こうして中国マフィアと通じた者たちは数々の闇ビジネスに携わっていくことになる。取材を通じて明らかになった実例の、ごく一部を紹介しよう。

 数年前から、中国人女性の間で美顔、美白にいいと“プラセンタ注射液”が大人気。高値で取り引きされているという。この注射液、本来は更年期障害、肝機能障害改善のための医薬品。したがって診療を受け、処方箋をもらわなければ購入できない。「そこで小遣いが欲しい製薬会社の不良社員、借金漬けの医者などのコネを開拓し、横流ししてもらう。正価1本約200円のところ、末端では15倍の3000円ほどで、いくらでも捌ける。違法薬物ほどヤバくないから、いい商売だよ。副作用の心配!? 客が欲しがるんだから、知ったことじゃないよ」

 こううそぶくのは、族上がりのA氏(30)。美顔、美白といっても、それは薬の副作用で肌の色が白くなるだけの話。死者も出ていて、世界保健機関(WHO)も警告しているが、どこ吹く風だ。だが、このA氏によれば、彼らの数十倍を荒稼ぎしている者たちがいるという。「うちの顧客は日本に来ている中国人だけ。奴らは、もっと大きな購入ルートを持っていて、コンテナで中国に密輸して捌く。現地のマフィアは中国の税関にワイロを渡しているから絶対、摘発されないそうだ。月に軽く数億円の稼ぎがあるみたいだね」(同) また近年では、中国に若い女性を送る裏ビジネスもあるというのだ。

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