本誌の取材に応じた半グレ組織に属する40代のB氏が、女性を送り込むメリットを、こう解説する。「今は中国で働いたほうが、女性も稼げるよ。向こうでは日本人が人気で、相場は2時間で6万円。3人相手で1日18万円。20日稼動で月に360万円。飛行機代や宿泊費などの経費は知れているから、女性たちも頑張れば200万円ぐらい稼げる。帰国まで全部、こちらで費用は見て、帰国後、手渡しで、まとめて支払う」

 送り出す場所は、マカオ、福建省の主要都市だという。送り出しを管理するB氏らと、中国のマフィアで、女性の報酬の残りの約半分を分け合うのだとか。同席した40代の元・反社会的組織代表C氏が続ける。「向こうの店は100%、中国マフィアの息がかかっている。彼らが警察に根回ししてくれているから心配ない。女性は観光目的と偽って中国に行き、1か月働いて帰る。正規の出国だから、密入国のリスクもなければ、パスポートを奪ってタコ部屋に閉じ込めるなんてこともない。リスクは低く、今のところトラブルはないね」

 聞けばC氏は、数年前まで関西方面の有力組織に属していたが、警察の締めつけで完全に行き詰まっていたところ、B氏の誘いで組織を辞めたという。ある現役の反社会的組織代表は、こう漏らす。「日本の反社会的組織は総じて海外に出遅れている。その点、半グレのほうが早いのでは。うちは早くから中国側と組んでいたから、なんとかやれているけどな。中国で偽ブランド品工場を経営して、日本に輸出している社長の面倒なんか見ているんだよ」

 そして、現地の“空気”について、こう嘆息する。「中国では子どもの臓器売買まで、金になるなら何だってやるだろう。裏社会はもちろん、一般人だって、見つからなきゃ何をやってもOKという発想。とてもじゃないが、日本人の堅気では対抗できないよ」 つきあいのある人物をも呆れさせる貪欲さは、日本のみならず世界を飲み込んでいくのだろうか。

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