すみれさんの美しく爽やかな笑顔から醸し出される、ハワイのポカポカした日差しのような雰囲気に癒された本誌記者。結婚観や夢、そして意外な苦労人の一面を明かしてくれるなど、まさに必読のインタビューになりました!
――今日(取材日は4月中旬)は風が強いですね!
すみれ:本当ですね。風が冷たくて寒いです! 私、ハワイ育ちですから~(笑)。
――そうですよね。さて、まずは、今回出演された映画『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』の話を。こちらは、昨年5月に大腸がんで亡くなられた今井雅之さんが生前に主演、演出を務められた舞台の映画化ですよね。軽度の知的障害者である主人公・真人(川平慈英)が“ある目的”のために伊勢神宮へ向かうロードムービーです。
すみれ:はい。台本を読んで、真人にとって生きること自体がとても辛く大変なことだと思いました。それでも、常にポジティブで頑張って生きようという姿は素晴らしく、感動しました。
――真人は旅の途中で、すみれさんが演じられる麗子と巡り合います。
すみれ:麗子は私と同じ25歳ですが、旦那さんを亡くしシングルマザーという設定なんです。シングルマザーで母性あふれる役ですが、真人に対してはひとりの大人としてちゃんと見守っているんです。
――麗子の「ハワイからやって来た」という部分はすみれさんと重なりますね。
すみれ:実は、私がまだ日本語をうまくしゃべれないので、監督が設定を変えてくださったんです。だから、性格もアメリカンで、結構ズバズバ言っちゃう。
――劇中、麗子は登場するや、いきなり真人の自動車をヒッチハイクする。若い女性が一人でなかなかそんなことはしませんよね。
すみれ:そう! そこは超アメリカン(笑)。
――一方的にしゃべりまくるあたりはすごくマイペース。
すみれ:そこは私に似ています(笑)。
――役作りは大変でしたか?
すみれ:ママになった経験が無いので難しいかなって最初は思ったんです。でも、私自身がシングルマザー(松原千明)の環境で育ってきたので、そのときのママの苦労や大変さを想像したら、意外と早く役に入れました。
――当時のことを思い出したりしましたか?
すみれ:まだ7歳のときのことだったのでそれほどクリアには憶えていないんです。ただ、パパ(石田純一)とママがケンカをしたときにちょっと怖かったとか、ママはすごく我慢していたなってことはちょっと思い出したかな。
――そうなんですね。すみれさんがハワイで過ごされたのは7歳から19歳までですよね。ハワイで過ごされた子ども時代は、あの心地いい太陽の下で遊びまくっていたのでしょうか?
すみれ:や、実はそんなことなくて。当時は、学校が終ったら部活でディベートの練習があったり、プライベートではバレエや歌やピアノの練習もあって。それに宿題をやっていたら、もういっぱいいっぱいだったんです。
――えー!? 多忙なハワイ生活だったんですね。
すみれ:でも、週末は友達とビーチで遊んだり、ハイキングをしたり、楽しんでいましたよ。
――お母様は厳しかったんですか?
すみれ:全然厳しくなかったですよ。でも、私が、自分に対してすごく厳しかったかもしれません。父親のいない子っていっぱいいるけど、ハワイに来た当初は、英語はしゃべれなかったし、それが原因でいじめにもあったりしたんです。だから、いつか見返して「ザマアミロ!」って言えるくらいに努力しようと思っていました。
――英語をマスターするのは大変だったのではないですか?
すみれ:大体、2か月ぐらいでしゃべれるようになりましたよ。
――たった2か月!?
すみれ:子どもって覚えるのがすごく早いんですよ。それとしゃべれないことがすごく悔しくて。克服しようという強い意志があったからだと思います。
――素晴らしい。ちなみに、ハワイの男性ってどんな感じなんですか。やっぱり底抜けに明るい?
すみれ:フレンドリーで、ファミリー的です。もちろん、チャラチャラして浮気ばかりしている男性もいますけど、私の周りではそんなに聞きませんね。
――意外と堅いんですね~。シャイと言われる日本人男性と比べると?
すみれ:やっぱりハワイの男性のほうが積極的ですよ。でも、チャラくなくてもハワイの男性はそう見えちゃいますよね(笑)。
――なるほど。それで、すみれさんは19歳からアメリカ本土に行かれたんですよね。
すみれ:はい。19歳から21歳まではピッツバーグにあるカーネギーメロン大学の演劇科に通っていたのですが、結構大変でした。
――どんな苦労をされたんですか?
すみれ:発表会があって劇を披露するのですが、その役が、すごく人見知りだとか病気に罹っているとかDVを受けたとか……そういう暗い役ばかりだったんです。