巻き爪で思わぬ病気に!? 「爪の正しい切り方」教えます!の画像
巻き爪で思わぬ病気に!? 「爪の正しい切り方」教えます!の画像

 伸ばしっぱなしも危ないけれど短くしすぎるのもかなり危険! 肉を巻き込んで痛~くなると、怖~い病気につながることも!?

 “爪は短めが清潔”というのは、もちろん間違いではない。また、伸ばしすぎると、爪を剥がす恐れもあるので、こまめに手入れをするのは、とても大事なことだ。しかし、“間違った爪切り”をしていると、将来、とんでもなく恐ろしい事態を招くこともあるという。爪の治療に詳しい『そめのまち診療所』(東京・新宿)の原田正則院長は言う。「特に、足の爪に多いんですが、爪の両端を切りすぎると、陥入爪(かんにゅうそう:巻き爪のこと)になってしまうんです。巻き爪になると、場合によっては爪の切除手術が必要になることもあります」

 実は、日本人の10人に1人が巻き爪といわれており、その数は年々増えているという。「巻き爪は、湿度や温度が高くなると悪化する傾向があるため、ちょうど今頃の時期から梅雨時にかけては、“痛いから、どうにかしてほしい”という患者さんが多くなりますね」(前同)

 たかが爪、されど爪。この巻き爪を放っておいて、ひどくなると、「爪が肉に食い込み、皮膚が裂けると、爪の縁の辺りが化膿してしまうんです」(同) 足の爪がそうなったら、痛くて歩くのが困難になるだけではない。足の指をかばって変な姿勢で歩くようになれば、足腰への負担につながり、歩けなくなることも……。

 また、足だけではなく、手の爪でも言えることだが、爪を切りすぎて化膿した患部から雑菌が入れば、最悪の場合、細菌感染症になる恐れもあるのだ。爪の切りすぎから、そんな事態になるのだけは避けたい。では、どのように爪のケアをすればいいのか。そこで原田院長に「正しい爪の切り方」を教えてもらった。「爪と肉の境目ギリギリまで切る深爪。これは絶対に避けてください。爪は指先をガードすると同時に、指先の肉が盛り上がるのを抑える働きがある。深爪をすると、肉の盛り上がりを抑える力が弱まるため、爪は丸く巻く形になる。これが巻き爪のきっかけになるんです」(同)

 もう一つ、悪い切り方が、爪の両端をカットする「バイアス切り」だ。かく言う記者も、実は巻き爪で、爪の横の肉が少し盛り上がり赤くなっている。患部が痛むと、肉と爪の間に爪切りを差し込むようにして切っているのだが、これは、巻き爪を悪化させる原因だというのだ。「痛いから肉に食い込んだ爪の部分を切る。切ると、さらに爪が丸く巻いて肉に食い込むという悪循環になるんです」(同)

 爪の両側を深く切らないようにして、爪の先が指先に沿うような形にする。この切り方を「スクエア・オフ」と呼ぶのだが、これが最も巻き爪になりにくい、正しい切り方なのだ。深爪をしない。爪の両端を切りすぎない。最低これだけは守ってほしいのだが、これに加えて、爪を切るときに注意してほしい点があるという。それが、以下の3つだ。

(1)爪を切るときは、なるべく風呂上がりなど、爪に水分が多いときにする。
 爪が乾いていて硬い状態のときに切ると、変なところにヒビが入るからだ。「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信があるが、昔は明かりが暗く、爪を切るときに指先を傷つけないように、夜間の爪切りを戒める言い伝えのようだが、照明が十分な現代では、むしろ夜の風呂上がりに切ったほうが爪を傷つけないと言えるだろう。

(2)爪の中央からでなく、端から切り、細かく何回も分けて少しずつ切る。
 爪は年とともに厚く硬くなっていく。このため、余計な力をかけすぎると、爪が割れてしまうのだ。端っこから、細かく小刻みに切ることで、割れを防ぐことができる。

(3)爪を切った後はやすりをかける。
 仕上げの細かい部分は、通常の爪切りを使うと、どうしても切りすぎてしまう。やすりは何回もかける必要はないが、「スクエア・オフ」に切るときは、尖った爪の両角をやすりできちんと擦ると、うまく仕上がる。

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