今やテレビで見ない日はないほどの、売れっ子女芸人・いとうあさこさん(45)。6月1日より公開された映画『サブイボマスク』では元ヤンキーのシングルマザーを熱演。気になる私生活のヤンチャぶりは?
――今回出演された映画『サブイボマスク』のオファーを受けたときの率直な感想からお願いします。
いとう:これまで映画には何度か出させてもらっているんですけど、スクリーンの端っこに映っているぐらいの役ばかりだったんですね。だから、今回はガッツリ出させてもらうって話しだったので「私にもこんな話が来るんだな」って。
――物語はミュージシャンのファンキー加藤さん扮する主人公・春雄の町興しを描いていますね
いとう:加藤さんの熱さがそのまんまスクリーンからあふれ出ている感じです。昔は森田健作さんの熱血もの作品がたくさんあったと思うんですが、今の時代はそういう熱さがカッコ悪いみたいな空気があるじゃないですか。でも、この映画を観てその良さを思い出してもらいたいですね。
――扮したのは元ヤンキーで失業中のシングルマザー・早苗役です。
いとう:早苗は普段は「くおらっ!」ってすごくイキがっているんだけど、その鎧(よろい)を取ったら負けちゃうんだと思いますね。でも、おバカな面やかわいい部分もあって、愛くるしいキャラだなって思いましたね。
――役作りはどうでした?
いとう:早苗っていつもガムを噛んでいるので、ガムを噛むというところから始めました(笑)。撮影が数日経った頃にはマネージャーからも「ちょっとガラが悪くなったね」って(笑)。
――役に入り込んでますね。
いとう:「役を引きずっちゃうんですよ」って言うのも恥ずかしいんですけど、町長役の泉谷しげるさんからも「芝居じゃないところは戻していいんだよ」って。あと、門馬直人監督からは“眉毛剃れるか問題”を相談されましたね。
――何ですか、それ?
いとう:元ヤンなので細いほうが良いだろうということなんです。結局、眉を細めにして残った毛はファンデーションで隠しました。
――今回は母親役でしたが、プライベートでは独身で未婚のいとうさん。母親になりたい願望はありますか?
いとう:実は、42歳のときに生まれて初めて子どもが欲しいって思ったんです。そのとき、この話を産婦人科の医師に話したら「あさこさん、それDNAの最後の叫びです」って言われて。
――ひぇ~っ!
いとう:(テーブルを叩きながら)「いいの!? 子ども終わっちゃうよ」ってサインだって。だから、この時期すっごく産みたかったんです。で、イコール「結婚したい!」って初めて思いました。今までおつきあいした人はいたけど、そう強く思ったことはなかったんです。
――その後はいかに!?
いとう:1年ぐらいで落ち着いちゃいましたね(笑)。今では「結婚はゴールではない」って考えるようになったんですけど。
――悟られたんですね。今まではおつきあいした人がいたということですが……。
いとう:20代の頃は、結構貢いじゃってね……。
――いくらぐらいです?
いとう:総額で1200万円ぐらいですかね。
――1200万……ってサラっと言いますね(笑)。
いとう:一人だけに、じゃないですよ。もっとも私の中では“貢いだ”というよりも“安全を買っていた”という感じだったんですよ。
――どういうこと?
いとう:借金の取り立て屋とか、怖い人がよく同棲中のアパートに来ていたんですけど、お金を払えばあっさり帰ってくれたので。当時は若かったので、重要なポイントが、ちゃんと働くというよりも、側にいてくれて楽しいってことだったんでしょうね。もちろん、今はもっと現実的に考えますけど。
――そうでしょうね……。ご家族から結婚について聞かれたりしません?
いとう:兄と妹がいて二人とも結婚しているんです。男女どちらとも出席したから、父からは“もう結婚式はいい”って(笑)。でも、私の中では妹は神社だったから“ウェディング姿はまだ見ていないじゃん”って。