松井代表監督招聘に向け動き始めたNPB――。この動きが本格化したら気が気ではないのが、巨人の球団幹部たちだろう。「原監督時代から巨人は毎年、水面下で松井に監督就任の打診をしています。昨年7月には久保博球団社長が渡米し松井と直談判、その翌月には堤辰佳GMも渡米、松井と会っています。“松井監督”は巨人の悲願なんですよ」(前出のデスク)

 結局、両者とも松井氏から色よい返事はもらえなかったという。「万策尽きた巨人は急遽、高橋由伸に監督就任を要請したわけです。高橋としては、あと2~3年は現役でというのが本音だったはずですが、入団時に実家の事業の負債を巨人に肩代わりしてもらった“借り”もあるため、断ることはできなかったようです」(前同)

 “球界の盟主”巨人を翻弄し続ける松井氏。彼の本心はどこにあるのか? 松井氏をよく知る人物は、その胸中をこう代弁する。「彼は“巨人の監督をやらない”とは言っていない。監督就任を迫る某球団幹部に“タイミングを逃すことになるぞ”と語気を荒らげられたこともあるようですが、後日、松井は“それは読売のタイミングでオレのタイミングではない”と話していました。“いずれはやる”ということですよ」

 ただ、それが“いつなのか”を、巨人は把握できていないという。「結局、“読売のドン”である渡邉恒雄さんとの確執をいまだに引きずっているのかもしれませんね。松井が02年にFAでメジャーに行く際、原監督は“報知の広岡勲記者の影響だ”と球団に報告したようなんです。これに渡邉さんが激怒。“その記者をクビか、事業部に飛ばせ!”と命じたとか。これを聞いた松井が広岡記者に同情して、“オレと一緒においでよ”と専属マネージャーにした経緯があるんです」(前出の関係者)

 広岡氏は松井氏が現役を引退後、日本に戻り「球団代表付アドバイザー」の職を得ているが、これはすなわち、巨人が用意した「松井監督準備室」だという。「広岡さんが松井とのパイプ役。彼を通じて連絡を取り合い、一刻も早く松井の首を縦に振らせようというわけです」(前同)

 巨人がここまで松井監督就任を急ぐ理由は、「監督候補だった阿部慎之助がラインから外れたから」(同)という声も聞こえてくる。「12年8月に阿部とグラビアアイドルの不倫がスッパ抜かれましたが、実はまだ彼女と切れていないようなんです。これに球団幹部が激怒しており、阿部監督の目は消えたといわれています」(前出のデスク)

 由伸監督の契約が切れるのは18年秋。最悪、“次は阿部”があったが、事情が変わったため、それまでに巨人は是が非でも松井氏の確約を取りたいわけだ。「小久保が契約切れとなるのは由伸より1年早い17年秋。このとき万が一、松井が代表監督を引き受けてしまったら、巨人としては指をくわえて見ているしかありません。由伸には無理強いして3年契約で監督に据えているため、さすがに2年でクビにできないでしょうからね」(前出の関係者) 代表監督なら、日本とアメリカを行き来する生活も可能。もし松井氏がアメリカでの家族との生活を第一に考えている場合は、NPB側有利という見立ても。巨人は、トンビに油揚げをさらわれるか……!?

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