夏に効く!「サプリメント」の正しい飲み方の画像
夏に効く!「サプリメント」の正しい飲み方の画像

 暑い日が続くと体の調子も崩しがち。睡眠や食事などをきちんととれない場合に重宝するのがコレなのだ!

 気象庁によれば、今年の夏は東日本を中心に例年以上の猛暑になるという。「毎年、夏になると、死の危険を伴うことの多い熱中症や、万病の元である夏バテに苦しむ人も多いですが、今年はこれまで以上に注意が必要でしょうね」(気象予報士)

 とはいえ、一家の大黒柱であるお父サンは、暑いぐらいで倒れたり、病院に駆け込むわけにはいかない。できれば薬の服用も避けたいところだ。そこで今回は、「夏に効く」サプリメント活用術を探ってみた。

 その前に、まずはサプリの基礎知識を。我が国でサプリメントといえば、「栄養補助食品」。日々の食事で不足しがちな栄養素を補給する健康食品のことなのだ。これは医薬品や医薬部外品のように、効能をうたうことは禁じられている。「サプリメントは確かに効きますよ。ただし、サプリを大量消費する米国の製品がFDA(米食品医薬品局)の厳しいチェックを受けているのに対し、日本のサプリは食品扱いなので、厚労省のチェックを受けていません」 こう語るのは、米イリノイ工科大学の元助教授(化学科)で、薬学博士の生田哲氏だ。

 ただし、役所のチェックを受けないといっても、危険な成分が入っているというわけではない。医薬品ではないので、有効成分の含有量も少ないが、その分、商品の単価を低く抑えられるというメリットもある。では、「夏に効く」具体的なサプリの成分は何か。

 夏の病気でまず思い浮かぶのが、熱中症だろう。これの対処法は、直ちに身体を冷やし、水分補給が基本。意識がなければ救急搬送が鉄則で、倒れた際にはサプリを飲んでいるようなヒマはない。だが、普段から飲むことで、体力をつけ、熱中症や夏バテを予防するサプリはあるという。「ビタミンB群をとるのが一番。B群は脂質や糖質を分解してエネルギーを作ります。結果、筋肉がつくし、頭の回転も速くなります。8つあるB群の、全種類が必要です」(前出の生田氏)

 B群8種類すべて入ったサプリが売られているので、それを選べば十分だ。このB群摂取は、体力増強の基本。さらにステップアップを目指し、精力増進のサプリも加えれば、なおさら熱中症、夏バテ対策も万全になるだろう。「それには、まず性ホルモンの生産や性腺の働きを活発にする亜鉛。また、精力を高めるセレンも有効です。セレンは老化の大きな原因となる活性酸素を分解する働きがあることが判明しています。他にはアルギニンもあります。これはアミノ酸の一種ですが、バイアグラと同じくらい効果があるとのデータもあるほど。血流アップを促すんです」(前同)

 アルギニンが含まれる食品といえば、ニンニクが有名だが、サプリなら翌日の口臭を気にしないでいいのが心強い。その他、筋肉増大、骨格を太くする男性ホルモンの一種、テストステロンの分泌を増すビタミンEもいいという。さらには喫煙者なら、タバコの害を減らすサプリをとっておきたい。「それには強い抗酸化作用を持つビタミンCがオススメ。タバコを1本吸うと、約25ミリグラムのビタミンCが消えるんです」(同)

 ヘビースモーカーなら、体内のビタミンCはゼロに。そして、タバコの害が体を直撃するわけだ。タバコ同様、過度の飲酒も我々の体力を奪う。生田氏は、「これにはクルクミン、メチオニンがオススメ」と言う。クルクミンは、アルコールのとり過ぎで弱った肝臓を元気にしてくれる。カレー粉の黄色の元、ウコンの主成分が、このクルクミンなのだ。アミノ酸の一種であるメチオニンにも、同様の働きがある。

 一方で、夏の暑さは肝臓のみならず、胃腸など消化器系の調子も悪くする。そのうえ、食欲減退でさらに体力低下に……。その弱った胃腸を守ってくれるのが、ビタミンAとビタミンCだ。Aは胃粘膜を保護し、抗酸化作用が髙いCは、胃粘膜をストレスから守ってくれるのだ。また夏といえば、建物の中は冷房が効き過ぎ、外気との温度差が激しいことから、自律神経が乱れ、冷え症に悩む人が男性の間でも増えている。「ビタミンEや、青魚に多く含まれるEPAとDHA、また、イチョウ葉エキスもいい。どれにも血流を良くする働きがあります。特にイチョウ葉エキスは、頭の血流もよくして、認知症予防にもいいとのデータも出ています」(同)

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