正直、セの残り5球団はすでに、「CS(クライマックスシリーズ)狙い」といったところだろう。実際に、2~6位は横一線。毎日順位が入れ替わるほどの大混戦ぶりなのだ。
はてさて、CSに滑り込むのは、どこの球団なのか。チーム平均のWHIPとOPSを見る限り、巨人がややリードしているようにも見えるが、こんな見方も。「この指数の特徴は、出場機会の少ない選手の数値が良くなるケースが多々、見受けられる。そこがこの指数の盲点なんです。巨人の場合、今シーズンは、立岡、片岡、クルーズ、小林など、故障離脱者が相次ぎ、代わりに上がってきた橋本到、實松、阿部のような出場機会の少ない選手の数字が平均値を上げてしまっている傾向が見られます」(前出のベテラン記者)
確かに、シーズンを通して出場する選手を見ると、菅野(WHIP=0.95)と坂本(OPS=0.994)が抜群に良いだけで、他の選手は微妙な数値。それを考えると、スタメンが定着していて、巨人と同等の数字を叩き出しているDeNAと中日のほうが勝ち抜ける確率が高いと、本誌は予想する。DeNAは、ここ数年、「打高投低」で、「投手力さえ整えば」と言われ続けてきたチーム。だが、今年に限っては、投手力が素晴らしい。特に、石田(WHIP=1.09)と、今永(同1.05)の成績は見事だ。「現在、今永のほうは調子を崩して二軍調整中ですが、オールスター明けには一軍復帰の見通しです。彼の復調次第では、広島以上の先発ローテが組める」(前出のスポーツ紙デスク)
この2人だけでなく、山口(WHIP=1.23)、井納(同1.18)、久保康(同1.12)ら、他の先発陣も好調。さらに、守護神・山﨑康らリリーフ陣の平均WHIPは、広島のそれと、ほぼ同じ数値だ。そして、そんな投手陣に助けてもらってきた打線も、ここにきて、ようやくつながるようになってきた。これを象徴するのが7月2日の対広島戦。主砲・筒香(OPS=0.999)の同点弾が飛び出し、その後、桑原のタイムリーで勝ち越し。エリアン、梶谷の連続適時打でさらに追加点という理想的な展開だった。「宮崎(同0.878)、倉本(同0.709)といった若手の台頭もうれしいニュース。さらに、ロペス(同0.813)が左足親指の骨折から1か月で復帰しましたから、現在のDeNAは、一番勢いのあるチームと言えます」(前同)