アドリブ兄「パチ&スロ 軍資金3000円で巨万の富を目指す男」
第17回 VS聖戦士ダンバイン

 日刊大衆をご覧の皆様、十七度目まして。たったの3000円を元手に、パチ&スロで巨万の富を目指してやろうじゃないかと、鼻息フンフンで始めた当コラム。入れ込みすぎなのか、あと一歩というところでスタミナ切れする結果が続いております。でも、本当にあと一歩、キッカケ次第で“大爆発”する可能性はあると思っています(注:爆発するのは財布じゃないよ)。あと少し、ほんの少し何かが足りないんだよ。

 僕に足りないものは何か? そんなことを考えてみると、思い当たることが1つ。僕には切磋琢磨するライバルがいない! 思えば、この連載が始まってからずっと1人実戦。マンガや映画でも、成功する主人公には良きライバルや手強い敵がつきもの。誰かと競い合うことで、自分の力が高まったり、実力以上のモノを発揮できたりする。

 僕も誰かと3000円でパチンコ対決すれば、もしかするとすごい結果を導くことができるんじゃないか? 名付けて「内に眠れる闘争心で、巨万の富を引き出せ!」大作戦です。じゃあ、誰と戦うか? 相手は……ヤツしか考えられない!

プルルルル……プルルルル……
「編集のBだけど」
「お疲れ様です! いきなりなんですが、僕とパチンコ勝負してくれませんか!」
「え、なになに、どうしたの?」
「誰かと競い合うことによって、僕の奥底の眠れる獅子を呼び覚まそうと思いまして」
「え、眠れる脂肪?」
「脂肪じゃなくて獅子を! いや脂肪もあるけど、獅子もいるんですよ!!」
「あ、そう。パチンコで出玉対決ってことね。別にいいよ」
「ありがとうございます! では当日!」

 よし、承諾取りつけた! このコラムの担当である「編集B氏」。僕が毎回汗と涙と鼻水を垂らしながら、3000円であくせくパチンコパチスロ打ってるのに、いつも電話をプチッと切ってくる男。アイツもちょっとは3000円で勝負する難しさをわかったらいいんだよ。そんでアイツに出玉勝負で勝って、ギャフンって言わせてやりたい。うん、どちらかというとライバルとか眠れる獅子とかではなく、なんとか一泡吹かせてやりたいという気持ちしかなかった!

 ということで、某日の夕方、東京新宿の某店にて待ち合わせ。
「アド兄さぁ、今日は軍資金3000円の出玉対決だよね。罰ゲームとかあったほうがおもしろくない?」
「あ、そうですねぇ……じゃあ僕が勝ったら、今後この企画のギャラを5000円にしてください!」
「お、大きく出たねー。じゃオレが勝ったら焼肉ね。店内暗めのシャレた焼肉」
「え、お、あ、はい」

 店内暗めのシャレた焼肉といえば、おそらくはサービスカルビなど置いてないお店に違いない。これは「絶対に負けられない戦い」になってきたよ!

 さっそくバトルスタートと、店内に入るやいなや、ねり歩いて勝負台を吟味する編集B氏。店内の甘デジコーナーを一周して、編集B氏が選んだのは『デジハネCR聖戦士ダンバイン』。大当たり確率約99分の1の甘デジながら、一撃大量出玉も狙える破壊力を持つこの機種を選んでくるあたり、勝負をかけている感がビシビシと伝わってきます。

 そして自分はといえば、B氏の隣の『ダンバイン』に着席。今回の作戦のキモは「闘争心」。つまり競い合う相手を視野に入れるのが一番! 

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 ニッコリと記念写真を撮りつつ、打ち始める前に心の中でこう思うわけです。「この勝負、普段から3000円という限られた中で戦ってきた自分に分がある。さぁ、目にもの見せてくれようじゃないか!」 隣でドカドカ出して、相手の心をバキバキにへし折ってやる。そう、勝つのは……俺だっ!

17時55分 打ち始め。
18時01分 2000円目投入。
18時06分 3000円目投入。
18時10分 何も起きないまま終了

 ……えーっと、俺の闘争心はどこいった!? いつもと一緒じゃん! 隣を見るとB氏も同じくらいの時間で3000円を使い切った様子。当然何事も起こらず終了。

「ね、Bさん……3000円で勝負するのって難しいんですよ?」
「うんうん、そうね。じゃあ今のリハーサル。仕切り直して、ちゃんとやろうか」

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