岡田氏は「どんな運動がより効果的か」ではなく、自分が、どの運動が楽しいか(マイペースで続けられるか)が重要だと続ける。

「気をつけるべきは、短期的に結果が出る運動などないということです。日頃、運動不足なのに、いきなりハードなスポーツをしても足腰を痛めるだけ。最近は、アスリートのようなメニューを計画的にこなさせ、厳しい糖質制限を課すようなジムもあります。確かに結果は出るでしょうが、足腰や腎臓、肝臓にも負担がかかりますから、中高年にとっては厳禁です」

 そういう意味では、散歩やジョギングは手軽でもあり、一番自分に合ったペースで実施できる。「ただし、だからといってただダラダラと歩いたり走ったりしても無駄です。心拍数が少しアップする程度の速度でないと、効果は期待できません」(前同)

 その目安は「165-年齢」。55歳なら110を上限のメドとして運動するとよいという。「ここでも、無理やり汗をかこうとして長袖長ズボン、タオルを首に巻いて走るなんていうのは熱中症を招きますし、愚の骨頂の行為です」(同)

 あくまで、体への負担を極力軽減するのが、我々中高年の流儀なのだ。「その点、水泳はオススメです。膝や腰への負担の心配も少ないうえ、プールの冷たい水は脂肪の分解をより促進しますからね」(同) また、家で簡単にできる腹筋も、なかなか悪くないそうだ。

「上体を起こす方法より、寝そべって足を上げる方法のほうがバランスを要し、体幹も鍛えられます。最近の研究で、腹筋をやっている人はやってない人に比べ脳卒中になりにくく、仮に脳卒中になっても着替えやトイレ、入浴など自立してできる人が多くなるとの結果も出ています」(同)

 その他、運動以外ではサウナも、体中を温めて血行や脂肪燃焼を促進するのでオススメだという。「ただし、血行を促進するということは、心臓にそれなりに負担をかけるということ。無理をして高温の中に長時間い続けない、飲酒後は入らないなど、節度を守ることが必要になりますす」(同)

 ガマン大会のようにやみくもに頑張ったあげく、心臓発作など起こしては元も子もないのだ。あくまでも「ダイエットは一日にしてならず」――。くれぐれも、短期的な結果を期待して安易に“危険なやせ方”に飛びつき、健康を害することなどないようにご注意あれ。

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