たとえば第一勧業銀行。この名称に、“あぁ”と反応するのは、何歳以上の人でしょうか。現在は、みずほ銀行。今は当たり前になっていますが、当時は、まごつく人がたくさんいたと思います。

 名前が変わる。住所が変わる。電話番号が変わる。仕事内容が変わる。新しいものとの出逢いはいつでも新鮮で、ちょっとドキドキしますが、それが定着するのには時間がかかります。

 今週末、中京競馬場を舞台に行われる「チャンピオンズカップ」が、そのいい例です。名称、距離、施行日が何度も変更となり、ファンの間でも、「今週のメインは……なんだったっけ?」「ほら、あの、ダート日本一を決める……」「あぁ。あれね。アメリカと同じ左回りの中京に変わった……ほら、あれ……」なんていう会話が、あちこちで交わされているんじゃないでしょうか。

「ジャパンカップと並ぶ、ダートの国際競走をつくろう」というJRAの方針で2000年に創設されたこのレースの最初の名称は、「ジャパンカップダート」。開催は東京競馬場で、開催日は「ジャパンカップ」前日の土曜日。距離は2100メートルでした。今と同じなのは……ダートということだけですよね。

 02年の第3回は、東京競馬場が改修工事のため、中山競馬場、距離1800メートルのレースに変更。04年は、「ジャパンカップ」との同日開催となり、東京競馬場は1日2つのG1レースを楽しもうというファンでぎっしり。コースから見上げたスタンドは、まるでお祭りのような賑やかさでした。

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