――そんな舞羽さんも宝塚を退団して4年。現在は、ドラマ『プリンセスメゾン』(NHK BS)に出演中です。居酒屋勤務のアラサー女子・沼越幸がマンション購入を目標に生きるというストーリーですよね。

舞羽 登場人物たちが社会に出ているときと家でリラックスしているとき、オンとオフの姿がとてもリアルなんです。撮影現場でも役者の呼吸を大切にしていて、原作コミックが持つゆっくりとした空気を壊していないところが素敵なんです。

――舞羽さんが演じるのは不動産会社の派遣スタッフ・阿久津マリエですね。

舞羽 マリエちゃんは天然で、キャピキャピした感じの女の子ですね。だけど、先輩で正社員の伊達(高橋一生)に関する情報はいち早く入手する……ちゃっかりしているというか生き抜く術や大切なことに関してはピピッて反応するところがあって。

――伊達の前だとピンと背筋が伸びていたり。

舞羽 そうそう。世渡り上手というか、ね。でも、自分の意見を迷いなく言える素直な心を持った女性だと思っています。

――マリエを演じるうえで心がけていることは?

舞羽 スタッフさんと相談して、かわいらしいネイルをしたり、巻き髪にしたりしました。監督からも柔らかさを求められたので、私生活にも、フワフワした感じを取り入れました。

――フワフワ?

舞羽 寝るときにモコモコのパジャマを着てみたり(笑)。あとは周りへの気遣いとか、その場を明るくする雰囲気を作ることとか。見た目だけではない、「女子力」を意識しました

――マリエの私服姿もすごくかわいいですよね。

舞羽 スカートも短かったり、花柄だったりとか。すごくテンション上がりましたね(笑)。私、素が地味なので、普段はなかなかそういうのは着ないんですよ。

――そういえば、今日も黒でドレッシーですね。

舞羽 宝塚時代はやっぱり華やかに見えることが大前提の娘役だったので、オフのときにも、花柄やレース、明るい色味の服をあえて着ていましたけどね。

――そうなんですね。先輩OLの要理子役は、同じく宝塚出身の陽月華さんが演じていますね。

舞羽 宝塚時代は舞台でご一緒したことがなくて、今回が初めてでした。私が入団したときにはすでにトップ娘役だったので、遠い先輩って感じだったんです。私自身、陽月さんが大好きで、写真とかも集めていたくらい(笑)。

――陽月さんのどんなところに憧れていたんですか?

舞羽 オシャレでスタイリッシュで何でもできるところですね。それに陽月さんは、宝塚の歴史の中で、新しい娘役像を作り上げたとも言える方なんです。そんなところもリスペクトしています。

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