しかも、写真に使われるのは安住アナだけではない。「少し前には、たけしや、さんまでもやっとったな。要は、知名度が抜群にあって、頭が切れる人を使う。でも、この詐欺をやってるのは一組織だけやないから、使われた人間はもっといるんちゃうか?」(前同)

 前出の小川氏は、その候補になりそうな人として、フリーアナの宮根誠司と羽鳥慎一を挙げる。「年配の方がよく見る昼間の番組に出演していることが大きい。そして、万人受けするキャラで、爽やかさもありますからね」(同)

 安住詐欺で使われる写真も、安住アナ自身が「奇跡的に非常に痩せて、よく撮れていて、“写真自体詐欺”とよく言われています」と語るように、見栄えのいいものが選ばれている。イメージが良い人ほど、詐欺に利用されているのだ。

 しかも、都市部在住だから安心できるかといえば、そうでもない。小川氏の推測では、今後数年は、安住アナでなく“あるイベント”を軸に据えた詐欺事件が、東京を中心に急増する可能性があるというのだ。「2020年の東京五輪絡みです。特に、優先チケットの購入名目で、お金を騙し取る案件が増えると思われます」(小川氏)

 その手口は、手紙や電話などで、チケットの事前購入を持ち掛けることから始まるという。「たとえば、“A-1からBの30番まで席を押さえていて、そこは都民だけ優先的に買えます”と。しかも、そのチケットは誰かに譲ってもいいし、五輪開催直前には、値段が数倍にハネ上がると言うんです」(前同)

 もちろん、そんなわけはなく、お金を振り込んでも、業者から何の音沙汰もないままだ。ただし、この手口だけでなく、「様々な種類の詐欺が横行するはず」(同)というから、安住、たけし、さんまだけに限らない“有名人詐欺”も含め、見極めるのは難しいようだ。そもそも小川氏は、「お金を要求する話に対して払ってはダメ」と強調し、こう続ける。

「絶対に儲かる話があるとしたら、わざわざ他人に言いませんよ。もし第三者の立場が必要なら、家族など、身近な人にしか知らせないでしょうし……」 また、書面のみならず、電話で勧誘された場合に、どうしても断りきれないという人には、「留守電」の利用が有効だという。

「留守電にして、本当に知っている人からの着信であれば出るという方法です。詐欺犯は声が残るのを嫌がりますから、留守電に切り替わった途端に電話を切るはずです。一方、子どもや孫による無心だとしたら、絶対に声を残すはずです」(前同)

 都合のいい話には、くれぐれもご用心を!

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