一方、東日本はどうかというと、三陸メートル房総半島の沿岸部にかけて、いまだに2011年の東日本大震災の余震と思われる地震が頻発している。冒頭で述べた11月の福島県沖、12月の茨城県北部地震もそうだった。
「5年以上前の揺れの余震? と思われるかもしれませんが、あんな巨大地震の余震は10年、20年で収まるものではありません。M9の地震が起きたら、M8 クラスは10回、M7は100回は起きると思って結構です」(同)
しかも、12月の茨城地震はまたもや“未知の断層”によるものと判明。それだけ東日本全域で地殻への影響が大きかったことを物語る。
当然、東京をはじめ人口が密集する首都圏直下の活断層や、新潟県の糸魚川~静岡を結ぶ「糸魚川-静岡構造線」という大断層密集地帯にも、大きな負荷がかかっていることは想像に難くない。M7はむろん、M8クラスの地震さえ、今年どころか明日にも襲う可能性を否定できないという。
さらに、海洋地震学者の木村政昭・琉球大学名誉教授(理学博士)は、伊豆、小笠原諸島付近に注目する。「東北の3・11巨大地震は、太平洋プレートと北米プレートの境界で起きました。結果、その南方延長にあたる伊豆、小笠原諸島付近のプレート境界にも大きな圧がかかっており、大地震が起きる可能性はあります」
木村氏は、地震空白域(地震が発生しうるのに長年起きていない場所)の研究の中から、地震と火山活動の関係などに着目。独自理論で阪神・淡路大震災、東日本大震災などを的中させたとされるが、この伊豆、小笠原列島付近では2012年±5年でM8.5の地震が起こると予測している。今年は、その“最終年”だ。そして、その前兆現象はすでに起きているという。
15年5月、箱根山(神奈川県箱根町)の噴火活動が活発になった件だ。警戒レベルが1から3(入山規制)に引き上げられ、一部で避難指示も出された。また、小笠原諸島の無人島・西之島が13年に噴火して以来、1年以上にわたって非常に活発な火山活動が続き、陸地面積が10倍以上になったのは記憶に新しい。
「地震と噴火活動は密接に関係しています。太平洋プレートが日本列島側に動いてくるときの“押す力”が、火山の下のマグマ溜まりを圧迫し、マグマが上がって来て噴火するわけです。そこからさらにプレートが押してくると、最後は境界付近で地殻がずれて大地震になるんです」(木村氏)