「シジュウム茶に関しては、国も研究に乗り出しており、動物実験などの分析の結果、ヒスタミンなどのアレルギー反応物質を抑制するだけでなく、アレルギー反応の根本である抗原抗体反応も抑えることが分かってきています」(医療ジャーナリストの牧潤二氏) 耳慣れない名前のお茶だが、これは試してみる価値はあるだろう。

 近年、しきりに取り上げられているヨーグルトや乳酸菌はといえば、前出の厚労省報告では、<効果あり>が30%以下と低調気味だ。しかし、これには注目したい食べ方がある。それが、ヨーグルトにミカンの皮を加えて食する方法だ。

 この方法は15年4月、愛媛大学の菅原卓也教授が学会で発表したもの。「βラクトグロブリン」というタンパク質の入ったヨーグルトに温州ミカンの皮をすり潰して入れたものを、スギ花粉症患者26人に1日1回飲んでもらったところ、2週間後には、その全員が、目のかゆみの症状が大きく改善したというのだ。

「温州ミカンの皮に含まれるポリフェノールの一種・ノビレチンとの相乗効果が、免疫細胞の反応を抑え、また、ヒスタミンなどの化学物質の放出も抑えたそうです」(前同)

 ミカンの皮が出てきたところで、同じ柑橘類の「ジャバラ」も取り上げたい。このジャバラは、和歌山県北山村が原産の柑橘類で、同村が村興しの一環として発売したところ、花粉症に効くとの口コミで爆発的ヒットになった。

 北山村が花粉症の患者1000人をモニターした調査では、約50%が<効果あり>と回答。そして05年、岐阜大学の研究で、「ジャバラの果皮に抗アレルギー作用がある成分が含まれている」と発表された。「ジャバラは、ユズやダイダイ、カボスの仲間。これらの皮にも、ミカンと同様の効果が期待できるのではないでしょうか」(同)

 ここで目を転じて、厚労省の報告で50%の人が<効果あり>と答えた「漢方」の見地からも見てみよう。漢方の専門家である「和光治療院・漢方薬局」(千葉市)の平地治美氏(薬剤師、鍼灸師)が勧めるのは「スギナ茶」だ。

 スギナはツクシが生長して葉が出てきた茎部分のこと。利尿作用があることで、昔から生薬として利用されてきたが、近年は花粉症への効果が注目されている。「スギナには、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質を抑制する成分が含まれているといわれています。煎じたものを1日3回服用し続けると、花粉症に限らず、アレルギーのある人の体質改善を促すとされます」(平地氏)

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